(鷹崎奈津)雪っ雪〜。
(丸尾栄一郎)そうだなっちゃん全日本ジュニア選抜ベスト4だって?あ。
うん。
自己ベストだね。
おめでとう!ありがとう。
でもまた負けちゃった。
清水さんに。
「清水さん」って…あの。
回想
(清水)すいませんでした。
私行きますね。
ありがとうございました。
今回は一番悔しかったよもう少しだったから。
あっ!ん…。
じゃあ全日本ジュニアで勝とうよ!え…。
あ…。
それで俺と一緒に優勝してプロになろうよ!フ…。
うん!
(オープニングテーマ)
(森本)ダッシュ10本!
(笛)ピッ!ハァハァハァハァハァ…。
ハァハァ…。
(三浦)神奈川ジュニアのドローが届いたぞ。
はい。
県のジュニアランキング上位64名に出場権が与えられてベスト16までが全日本ジュニアの予選関東ジュニアに進む事ができる。
心の声つまり2回勝てば関東ジュニアに出場できるんだけど。
ここは誰と当たっても勝たなきゃとは思ってた。
けどよりによってこんな大事なところで2回戦のブロックに第3シードの宮川君が…。
いや…!その前に1回戦だ。
この大会の出場者はみんな実績のある選手…。
なのに相手の西村君のデータは何もない。
(西村)荒谷さん!この丸尾栄一郎って去年の神奈川ジュニアサーキットでベスト4だった…。
(荒谷)ああ。
準決勝で対戦してるぜ…。
もちろん俺が勝ったけどな。
そのあと秋のSTCカップで優勝してますね。
冬の関東ジュニア選抜室内では1回戦負けでしたが…。
もっとも相手があの難波江だったから。
…本来ノーシードの成績じゃないですよ。
いや。
あいつあんまり試合してないしな。
対戦してみてどうでした?どういうタイプの選手かなって…。
基本的にはディフェンシブだ。
サーブは大した事なかったからお前なら焦んなくてもブレイクのチャンスはあるんじゃねぇか。
うっス…。
(ボールを打つ音)
(宮川)うっ。
(大林)うっ。
うっ!大分仕上がってきたな。
いやまだまだですよ…。
もう少しいいですか?
(ボールを打つ音)心の声俺にとって一世一代の挑戦だ…。
人生を懸けた戦いがいよいよ始まる。
(荒谷)おい丸尾!ん!?よう元気か?なんかすごい団体だね。
ああ。
今年うちのクラブは出場者が多くてな。
ほとんど後輩だよ…。
そういえばお前今回シードじゃねえのはあんまり試合出てなかったからか?うん。
コーチがそう言ってた。
おかげでお前のブロックキツいな〜。
宮川もいるし。
あ…そうなんだよね。
荒谷さん…荒谷さん…?反対のブロックで助かったぜ。
ねぇ荒谷さんってば!るせ〜な!わっ!今しゃべってんだろ〜がっ!そ…そんな怒らなくても…。
びっくりした〜。
悪い悪い。
…で何だよ。
だってその人丸尾さんでしょ?紹介して下さいよ。
ん…?ああそうか。
コイツうちのクラブの西村浩司っていうんだけど。
うっス。
お前ら1回戦で当たるんだよな。
心の声あっこの人が…。
去年の荒谷さんとの試合見てましたよ。
丸尾さんが優勝したSTCカップにも出てました。
ベスト8ですけど…。
あのノートおぉっ!すげえ興味深いっス。
とにかく今日はよろしくっス。
あ〜あ…はい。
よろしく…お願いします。
じゃあ俺アップ行ってきますんで。
…ったくマイペースな野郎で悪いな。
心の声さすが荒谷君の後輩…。
でもあいつを甘く見ない方がいいぜ。
テニス歴こそ短いがとにかく運動能力抜群で気が強いウチのクラブ好みのタイプだからな。
一番の成長株だぜ。
へ〜…。
何より俺がお前の弱点を徹底的に伝授したからな。
なっ!ちょ…ちょっと何言ったの?
(荒谷)あははは。
(宮川)荒谷君丸尾君おはよう。
お?あ…。
あれ…?宮川君…!?久しぶりだね。
髪切った?ハハハ。
うん。
バッサリいってみたんだ。
なんか…大人っぽくなったかな。
そうかな。
(最上)へ〜…彼がウワサの丸尾君。
あ…!?はじめまして最上紀彦です。
ああこいつは僕とタメで同じクラブなんだ。
(深沢)ちなみに。
うわっ!諭吉君!?彼が今回の第2シードです。
荒谷君が第1シード宮川が第3シードね。
はい。
とにかく丸尾君今日はよろしくね。
うん…。
よろしく。
今年はタクマさんもいないしみんなにチャンスがあるからね…。
荒谷君!あ!?少なくともお前じゃねえと思うぜ。
ハッそんな事ないって!それは第2シードの俺に勝ってから言うべきだね。
あ〜っエーちゃんいた!
(4人)ん?あ…なっちゃん。
いよいよだね。
うわっ!頑張ろうね!じゃあ受け付けしてくる。
うん…。
あれ〜〜?何今のイイ感じ…。
お前なんか調子よさそうだな〜。
本当?そういう事?あ〜あ…いや〜…。
ちょっと…俺…そろそろアップ行ってきますね〜!心の声
(3人)逃げた…。
僕は知〜らない…。
(アナウンス女性)「選手のお呼び出しをいたします。
43番石上君44番西野君は2番コート。
45番丸尾君46番西村君は3番コートで試合を開始して下さい」。
よし!心の声この2日の調整で疲労は取れたし食事も3時間前にしっかりとった。
ウォームアップも全て完了。
なっちゃんはいつも試合前「頑張ってね」と言ってくれるけど今日は「頑張ろうね」だった。
俺を一緒に全国を狙う選手だと思ってくれてるのはきっと俺がやってきた事を知ってるから。
負けたらプロを諦めなきゃならない大一番だから。
死ぬほど緊張すると思ったのに…意外に落ち着いてるのはきっともうこれ以上できないくらいやってきたから。
(佐々木)3番コート丸尾君ここかな。
(影山)ああ。
間に合ったぜ!心の声あとは…自分を信じて戦うのみ!
(審判)ワンセットマッチ西村サービスプレー!おしっまず1本っ!心の声リターンゲームだけどここは堅実にいきたい。
ワンセットマッチは最初に流れに乗られると命取りになるから…。
まずはリスクを避けて36分の1のコントロールで深く!はっ。
らあ。
(審判)アウト!0−15。
心の声いきなりミス…。
何でだ?俺のボールが予想より打ちにくいから?それとも何か焦りがある?はっ!うっ!心の声36分の1。
…ここをどう来るかで理由は大体分かるはず。
浅い!ここまであからさまなチャンスボールは…決める!えっ!?
(審判)0−30。
チッ。
心の声この不安定さだと…多分両方。
俺の攻撃的な重いボールが打ちにくいのと先手にこだわって焦ってるからだ。
リターンゲームで2ポイントリード相手はまだ乗り切れてない。
となると…ここはもうターニングポイントかもしれない!よし!チャンスは逃がさず…行く!心の声
(宮川)リターンダッシュ!心の声
(西村)いきなり前かよ!はあ!うっ。
う…。
(審判)0−40。
心の声よし!ハイリスクの攻撃成功!心の声
(宮川)思ったとおり丸尾君はあれから変化し続けている。
くっ!はっ!
(審判)ゲーム丸尾1−0。
よし!心の声ブレイク!これで一歩リード!確実にサーブをキープしていけば負ける事はない!心の声このサーブゲームはたとえブレイクされてもタイ…。
つまりここも…思い切っていける。
身体をムチのようにしならせて…。
はっ!あ…!
(審判)15−0。
(選手A)うわっ!すげ〜!
(選手B)あの身体で…マジかよ。
心の声よし…!今日は調子いい!心の声
(西村)う…うそだろ!?はっ!くっ。
心の声
(西村)どこが「大したサーブじゃねえ」だよ!はっ。
(審判)30−0。
ふう…。
心の声
(西村)どこが「ディフェンシブ」なんだよ。
うっ!
(審判)40−0。
心の声
(西村)今度はスライス!サーブは速いどころか球種も多い。
はっ。
心の声
(西村)ストロークはコントロール主体なのに休まず攻め倒してくる。
(審判)ゲーム丸尾2−0。
心の声
(西村)全然話が違うじゃねえか!心の声よし!2−0。
いける!ここをブレイクして一気に勝負を決める!はっ!
(審判)ゲーム丸尾3−0。
心の声
(西村)荒谷さんのバカー!
(審判)ゲーム丸尾4−0。
心の声
(西村)大ウソツキ〜ッ!こりゃかなりの強敵だぜ?そうだね。
うっ!
(審判)0−15。
はっ!心の声
(宮川)1年前僕との試合でも丸尾君は変わろうとしていた。
それなのに僕は不器用さを言い訳に自分の欠点から目を背け得意なストロークばかりに頼っていた。
本当は分かっていたのに。
これ以上強くなるにはストローク以外の向上が必要だって…。
あの時…丸尾君に負けたから気付けたんだ。
自分の欠点から目を背け変わろうとしなかった自分に。
はっ!うわあ!
(審判)ゲーム丸尾5−0。
ふう…。
心の声
(宮川)あの時冷静さを装っていたけど僕の中から負けた悔しさと「絶対勝ちたい」という熱い思いが一気にこみ上げてきた。
自分でも驚くぐらいの強い思いが…。
あれから僕は自分のテニスを変えようとあらゆる方法をやってみた…。
ベースライナーの自分が前に出るためのショットをはじめあらゆるショットを試してみたが…うまくいかなかった…。
(池本)うっ!心の声
(宮川)入れ!
(審判)ゲームセットアンドマッチウォンバイ池本カウント6−37−5。
心の声
(宮川)くそっ!うっ!
(宮川)うぅっ!
(ラケットをたたきつける音)だめだ!ああっ…!あ…あ?大林先輩…。
どうした…。
近頃お前らしくないテニスをして自滅してるけど…。
プレースタイルを変える気なの?何をしてもうまくいかなくて…。
そう簡単に新しい武器は見つかりませんよね。
自分には大きすぎる挑戦だったのかもしれません…。
もう諦めた方がいいのかも…。
あのさ宮川…俺さ…最終的に諦めたんだよ。
え…?俺高3だし進路をどうするか悩んでたんだ…。
かすかにだけど「プロになりたい」という気持ちがあって…。
でもそれはスッパリ諦めて大学に行ってテニスを続けながら将来を考える事にしたよ。
えっ!?
(大林)まあ俺には神奈川でトップになる実力もなかったからプロなんておこがましいんだけどさ…。
(宮川)そんな…。
でもお前には実力もあるしまだ夢に近づく時間も十分にある。
あと1年間ぎりぎりまで頑張ってみろよ。
弱点を克服しようとボレーを練習するのは間違ってないと思う。
でもお前のストロークは一流だ。
せっかくのストロークをもっと生かすべきじゃないのかな。
あ…。
大林先輩…。
先輩…。
フッ…。
心の声
(宮川)今はこの1年やってきた事への確かな答えが欲しい。
そのために…丸尾君を絶対倒す!あっ!
(審判)ゲームセットアンドマッチウォンバイ丸尾カウント6−0。
やったぁ丸尾君!よっしゃ完勝!ふう…。
心の声
(青井)まあこれくらいはやってもらわんとな。
おめでと〜。
(影山)なんだよ余裕じゃね〜か。
(影山)おいエーちゃん!宮川君の試合始まってるぞ!うん!今行く!どう?試合。
うっ!ふうっ。
(審判)0−30。
うわ〜っ!さすがストロークの鬼!心の声1年前のデータでは長身を生かしたフォアバック共に両手打ちの強力なストロークが武器。
フルスイングで7つもの球種を打ち分けるのにミスが少ない。
更にこの1年で何かを得たはず。
(宮川)はっ!
(審判)0−40。
心の声でも今のところ大きな変化は見えない。
ストロークのキレが断然良くなってるのは分かるけど。
うっ!
(審判)ゲーム宮川4−0。
心の声力の差がありすぎてすぐ決まっちゃうんだよな…。
(大林)やあ丸尾君。
ん?
(2人)ん?久しぶり。
元気?あどうも!誰?エーちゃんと最初に戦った人。
宮川君の応援ですか?そうそう。
一応他にも後輩が結構出てるからね。
最上とか。
大学も決まったし結構今ヒマ人しててさ。
受験終わったんですね。
「受験」って言ってもスポーツ推薦だけどね。
去年の今頃はいろいろ迷ったけど「結局これかな」って思ってさ。
心の声そうだったんだ。
そういえばトーナメント表見たよ。
宮川も調子よさそうだしこのままいくと次だね。
はい。
(大林)今年は気合入れて宮川を応援してあげないとな。
去年丸尾君に負けたのは本当に悔しそうだったし…。
ははは。
んっ!?あ〜いやいや。
あ…あれは奇跡みたいなものですから。
でもきっと今日の宮川は相当手ごわいよ。
え!?ここで関東に行けなくなるとあいつだって将来に関わってくるからね。
将来?そりゃそうだよ。
特に全日本ジュニアは進路選択の意味合いが強いと思う。
同世代の中で自分がどれくらいの実力なのか結果が今後を大きく左右する。
とにかくみんな必死だよ。
宮川だって例外じゃない。
…だから今回は死に物狂いで来るよ。
はっ!
(審判)ゲームセットアンドマッチウォンバイ宮川カウント6−0。
相手は決まったみたいだね。
心の声2回戦の前は身体を冷やさず疲れすぎない程度に。
俺だって…ここで負けたらプロを諦める事になる。
去年タクマさんに挑んだ荒谷君はこんな気持ちだったのかな?ここからはみんな人生を懸けて戦う。
そういう試合に勝たなきゃなんないからやれるだけの事をやってきたんじゃないか…。
おいコラ!はっは…はい?なんかお前おっかね〜顔してるぞ。
お前なんかがいっくら怖い顔したって相手はビビんねぇぞ?あああ…。
そんな事ないです…。
いいか?こういう試合は誰だって少しは緊張するもんだ。
でも最終的には少しでも楽しんだ奴が勝つって事だけは覚えておけ。
はい。
あとな…お前は俺と出会う前にたとえ奇跡だろうが宮川に勝った。
お前は俺と出会ってからどんだけの事をやってきた?普通に考えりゃ負ける訳ねえんだ。
ん…。
(アナウンス女性)「45番丸尾君
(4人)ん?48番宮川君6番コートに入って試合を開始して下さい」。
いよいよだな。
うん。
勝てよエーちゃん。
バシッと関東進出決めてこい!ハイ!今日はリベンジさせてもらうよ。
うん。
負けないよ。
(丸尾宮川)よろしくお願いします。
(審判)ワンセットマッチ丸尾サービスプレー!心の声1回戦とは相手のレベルが違う…。
堅実に行きすぎるとあのストロークに追い込まれる。
2回戦は最初から…エンジン全開!はあっ!うっはっ!
(審判)15−0。
はぁ。
心の声
(宮川)1回戦よりサーブが速い。
心の声
(大林)あの身体でこのスピード。
身体の使い方と柔軟性で高速サーブをものにしたか…。
過去の弱点をここまでの武器にするとはね。
心の声危なかった。
1回戦なら確実にエースで決まってたのに…。
スピードに慣れてくる前にいろんな球種で勝負しておいた方がよさそうだな…。
だったら次はセンターにスライス!はっ!心の声
(宮川)スピードはない。
でも外に逃げる…。
(宮川)ぐっ…!あっ!うっ!
(審判)アウト30−0。
心の声片手で打ってきた!しかもかなり正確…。
って事は手足が長いからただでさえ広い守備範囲は更に左右一歩ずつ広くなってるって事。
となればスピードが落ちる回転系のサーブは届く可能性が高い。
今日は調子がいいんだからフラット主体でいこう。
はっ!心の声クソ!力が入ってる…。
いやフラットはリスクの高いサーブ。
気持ちを切り替えてセカンド…。
スピードが落ちる分しっかりコースをついてスピン!ふっ!はあっ!心の声来たっ!フラット強打っ!あ…!?前っ!?ベースライナーの宮川君が前に!でもこれは予想の範囲内!こうなったら宮川君のボレーと俺が鍛えてきたフットワークの勝負!心の声
(宮川)来た…!
(宮川)はあっ!あっ!ああっ!
(観客たち)おおっ!
(審判)30−15。
心の声ド!ドライブボレー!?心の声
(宮川)これが僕が変わるための…新しい武器。
(刀から火花が散る音)2015/11/14(土) 01:00〜01:25
NHKEテレ1大阪
アニメ ベイビーステップ2(7)「正念場のリベンジ」[字][デ]
ふとしたきっかけでテニスに目覚めた主人公・栄一郎が、プロのテニスプレーヤーを目指し、夢に向かい努力を重ねて成長していく姿を描いたスポーツアニメ。
詳細情報
番組内容
栄一郎(えいいちろう)の人生を懸けた挑戦の第一歩、神奈川県ジュニアテニス大会が始まった。1回戦の相手は栄一郎のライバル荒谷(あらや)の後輩西村(にしむら)。栄一郎の情報を西村に徹底的に伝授したと脅す荒谷の言葉に戸惑う中、試合は始まる。一方、やはり栄一郎のライバルである宮川(みやがわ)は、試合を見ながら、栄一郎がかつてより強くなったと実感。自分が成長した確かな答えを得るために打倒・栄一郎を決意する。
出演者
【声】村田太志,寿美菜子,浪川大輔,寺島拓篤,下野紘,瀬戸麻沙美,細谷佳正
原作・脚本
【原作】勝木光,【脚本】千葉克彦,武上純希,高橋ナツコ,吉田伸
ジャンル :
アニメ/特撮 – 国内アニメ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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