グレーテルのかまど・選「七五三の千歳(ちとせ)あめ」 2015.11.13


横からも上からも見応えのある鉢になりますよ。
宝石のように輝く…その甘い一口から子ども時代の懐かしい思い出がよみがえってきませんか?数々のあめの中でも千歳あめをなめた記憶は特別なもの。
11月15日は七五三の日。
晴れ着姿の子どもたちがお宮参りをする伝統行事です。
3歳5歳7歳の節目に健やかな成長を祈る通過儀礼。
神社で渡される千歳あめは今も昔も子どもたちの大きな楽しみ。
この紅白の長〜いあめに子どもの長寿を願う思いが込められているんです。
今日は七五三を祝う千歳あめ。
各地に伝わる子どもとあめの深い深〜い関わりをひもときます。
光る石をたどれば行き着く不思議な家にあのお菓子の家のヘンゼルとグレーテルの末裔が暮らしています。
彼らが振る舞うおいしいお菓子の物語をご賞味あれ。
「グレーテルのかまど」へようこそ。
うれしい時悲しい時もうひとふんばりしたい時。
一口頬張ると何だか元気が湧いてくるのがスイーツ。
その一つ一つに思いがけない誕生のドラマやその味を愛してやまなかった人々の物語が秘められています。
そんな不思議なスイーツの物語を我が家のかまどで最高においしく焼き上げましょう。
あのねそういえばさ。
うん?グレーテル週末どっか行くって言ってなかった?言ってたよ。
またね無理難題を残しちゃってね。
これ見てかまど。
あら。
そう。
何かね姉ちゃん今年七五三行くんだって。
えっ?何でグレが行くの?姉ちゃんじゃなくて姉ちゃんの友達のお子さんが七五三らしくて。
じゃあ飛び切りのを作ってあげないとね。
じゃあお願いしていい?かまど。
分かった。
頑張ろう千歳あめ。
という事で今宵ひもとくのは七五三の千歳あめ。
七五三の参拝者に千歳あめをいち早く授与した神社として知られています。
今年もたくさんの子どもたちがお参りしおめでたい絵柄の手提げ袋に入った千歳あめを渡されました。
(スタッフ)どうですか?千歳あめは子どもの健康を願う縁起物のお菓子。
1,000歳までも長生きしてほしいとの思いを込めて千歳あめと呼ばれるようになったといいます。
あめの長さには長寿の意味があります。
古くは「七歳までは神のうち」といわれ多くの幼子が命を落としました。
7歳までの無事を祝う七五三は重要な儀式だったのです。
江戸末期に描かれた浮世絵。
当時の七五三の様子が伺える資料です。
江戸ではそれぞれの祝いに意味がありました。
3歳で髪を伸ばし始める髪置の祝い。
5歳は男の子が初めて袴をつける…7歳は女の子が着物を帯で着るようになる帯解が祝われました。
そしてお付きの少年の手には千歳あめ。
お宮参りのお土産として江戸の人々に喜ばれ七五三に欠かせないお菓子となっていったのです。
古くからあめ作りが盛んに行われてきた長野県松本市。
毎年1月の恒例行事としてあめ市と名付けられた市が開かれるほど古くからあめとゆかりの深い町です。
こちらは創業160年というあめ屋さん。
昔ながらの製法を守り代々千歳あめを作り続けてきました。
あめ作り一筋30年の…この店の千歳あめは自然の素材だけで作られています。
創業当時から店で手作りしてきた原料の米あめはもち米に麦芽を加えた体に優しいあめ。
コクのあるまろやかな甘みが特徴です。
朝6時30分。
あめの仕込みが始まりました。
米あめを煮詰め水分を飛ばします。
これはあめの固さを決める重要な作業。
その日の気温や湿度を考えながら職人の勘で見極めます。
煮詰め始めておよそ1時間。
米あめの仕込みの完了です。
そして温かいうちに空気を入れて千歳あめの形にしていきます。
子どもたちの長寿を願い長く長〜く伸ばします。
職人たちの手で守り続けてきた七五三のあめの完成です。
地域の子どもたちに届ける優しい色合いの千歳あめです。
毎日何百本とか何百組みとか作りますけどもらう子どもは1人に1組みですよね。
だから一つ一つ…江戸時代から続く日本伝統の千歳あめ。
子どもたちを思う気持ちと共に今に受け継がれているのです。
へえ〜千歳あめってさその名前のとおりで子どもの長寿を願うあめだったんだね。
優しさが籠もってるのよ。
ヘンゼルも行ったでしょ?七五三。
もちろん行ったよ。
妹たちもいたから妹の時もあめ頂戴って言ってたね。
また頂戴。
フフフッ。
そう。
作ろうかまど。
じゃあ味わいのキメテお願いします。
食べた人を笑顔にさせる取って置きの千歳あめを作ります。
はいはい。
じゃあまずこの米あめを使いますよ。
米あめだけで作ると難しいから作りやすいようにかまどがアレンジしたわよ。
グラニュー糖と水を入れて沸騰させます。
OK。
これからこれどんどん熱くさせていきますので。
じゃあここでオキテ。
はい沸騰してた。
はい入れる。
入れる。
全体に水あめを溶かします。
どこら辺まで煮詰めるかっていうのが見極められるようになると職人技な訳よ。
それは今は…無理だな。
修業が必要でしょ?温度計の準備をしといてほしいの。
ある?ありますな。
OKOK。
温度で決めて。
一応かまどが。
123℃まで。
123℃。
結構大事なのよその123℃は。
もうすぐ。
あらじゃあ今度は米あめ。
それお湯で温めておきました。
入れやすいように。
香りがすごい出てきたね。
125℃ぐらいが目安かな。
125℃…あっ125℃。
これ…。
そのシートは厚めの方がいいわね。
ああそうなの。
おお結構な…これドロドロだね。
それで挟むようにして置いておくと。
おお。
まだ熱いね。
触れるくらいまで冷ますんだけど均一に冷えるように時々表と裏を入れかえてね。
分かった。
おお。
かまど冷めたみたい。
あらそう?触れるくらいだったらいいんだけど。
ああ全然触れるよ。
ホント?じゃあシートめくってみて。
はい。
あめがくっつかなくなってたら…。
おお〜すごい。
うわ〜くっつかなくなってるね。
じゃあここからは時間との闘いです。
ヘンゼルにあめ職人になってもらいます。
はいオキテどうぞ。
何じゃしょりゃ。
「しょりゃ」って何?それこそ何じゃそりゃ。
何じゃそりゃ。
あのねお口の中でフワフワっと溶けるあめにするにはあめに空気を練り込む事がものすごく大事なの。
とっても力がいるわよ。
大変な作業です。
これあれでしょ?おいしいあめを作るにはつらい作業も必要って事でしょ?あめは人肌といってもずっと触ってると熱いからゴム製の手袋をした方がよろしいです。
分かりました。
そんなにつらいの?だから時間との闘いだからタラタラやらないでタッタとやって。
じゃあこれまず剥がさないと…。
引っ張って折りたたむの。
引っ張って折りたたむの。
え〜?引っ張って…。
おっおっ軟らかい。
引っ張って折りたたむね。
長く引っ張ってよ。
長〜く引っ張って。
長〜く生きて。
こういう事?もう既にダルくなってきたんだけど。
ちょっと楽しくなってきたでしょ?楽しくなってきた。
空気をそうやって入れないと歯にくっついちゃったりするのね。
その作業はとっても大変だけど大事ですよ。
これ大事なんだね。
あ〜これ結構パワーいるよ。
こっからです。
こっから?かたくり粉をつけながら長く伸ばしていきますよ。
今度はもう伸ばして転がしてを繰り返します。
伸ばして転がして…。
あともうちょっとよ頑張って。
おお〜これ楽しいね。
おお〜いいね。
あめだね。
あめだね。
あめだよこれは。
はい転がして伸ばして。
いや〜。
すごい。
ほらかまど。
よし。
そしたらいい事教えてあげる。
あめと子どものもっと深い関係。
教えてあげる。
日本には古来あめと子どものちょっと不思議な民話があるのをご存じですか?各地で語り継がれているあめを買う幽霊のお話。
昔々子どもをみごもったまま死んだ娘がおりました。
娘は墓の中で子どもを産み幽霊になって子育てを始めました。
幽霊が母乳の代わりに与えたものそれがあめでした。
幽霊が子どもに与えたと伝えられるあめが今も残る地域があります。
およそ400年前幽霊がこのあめを買い子になめさせたといわれています。
あめはその昔乳飲み子の栄養源として使われていたとの事。
乳房の形をした伝説の岩から滴り落ちる岩清水で作ったというあめ。
地元鵜戸神宮に祭られる神様はそのあめで育てられたといわれています。
そしてあめと子どもにまつわるお話はこんな所にも。
あめが大好きなお地蔵様がいます。
その名も…あめを供える事で子育ての願いがかなうとされてきました。
(鈴の音)長年飴地蔵を守ってきた…藤巻さんが供えるのは地元で古くから作られてきた…お地蔵様の口にあめを当てると御利益があるとの事。
ほら口の周りが黒いでしょ?飴地蔵は供えられたあめの数だけ子育ての悩みに答えてきたのです。
この町で子育てをする女性はみんなこのお地蔵様にお参りに来ました。
そんなに母乳が出たなんて御利益があるんですね。
乳飲み子を育てる母の助けとなってきたあめ。
それは母の願いが込められた特別なスイーツだったのです。
へえ〜。
昔はさあめを赤ちゃんのミルク代わりにしてたんだね。
知らなかったな。
母親と子どもを結ぶ大切なあめだったって事だよね。
深い関係があったんだね。
子育てとあめはね。
じゃあねさっき作ったあめに子どもが喜ぶようなアレンジをしてみたいと思いますよ。
え〜?いろんなお話あったでしょ?だから話にあやかって子育てをイメージしたあめとかどうかしらね。
どんな感じになるんだろうね。
ではとりあえず作ってみます。
作ってみましょうか。
よし!水あめを煮詰めるまでは同じなんだけどね今度はそれを128℃に煮詰めたいの。
焦がさないようにお願いしますよ。
OK。
あめを母乳代わりにする話あったじゃない?その話にあやかってコンデンスミルクを使おうと思うんだけど。
さっき123℃だったでしょ?それを5℃だけ上げて128℃にするの。
それ以上上げると風味がなくなっちゃうから気を付けてね。
そういう事ね。
じゃあこれちょっと測った方がいいね。
あっなった。
火を止めてコンデンスミルクを入れて下さい。
は〜い。
おっ沸いてきた。
うわ〜いい香り。
ねえ。
うわ〜。
優しい香り。
食紅も加えてみましょうか。
これね。
軽い1滴で大丈夫?このぐらいでいいの?いいですよ。
子どもたちは喜ぶよこういう色。
えっあんな軽い1滴でこんなにピンクになるの?ちょっと一息TeaBreak!伝統的な千歳あめがこんな進化を遂げているんです。
こちらは表参道にあるおしゃれなあめ屋さん。
この日は千歳あめ作りの真っ最中にお邪魔しました。
作られていたのはおめでたい絵柄のキュートなキャンデー。
小さなあめの中に鶴や七五三の文字がデザインされています。
芸が細かいわね。
こちらは情熱の国スペインからやって来たあめ屋さん。
ここでも驚きの七五三キャンデーが作られています。
なななんと!七五三を数字で表した千歳あめ。
3の中にはまたもや3が!七五三への情熱伝わりました。
オレ!そして日本の老舗も負けちゃいませんよ。
なんとあめをリップにしちゃいました。
蜜のようなあめにフルーツの果汁を合わせたおいしいリップ。
七五三のメークにぴったりかも。
七五三の人もそうでない人もユニークな千歳あめいろいろ楽しんでみては?すてきなあめがいっぱいあるね。
いっぱいあったね〜。
あのリップなんかさ面白いよね。
かまども塗りたい。
かまどはもういいんじゃない?かまどの縁に塗ってほしいわ。
まあいいや。
千歳あめ出来てるんじゃないかしら。
あっそうだよ。
いい感じにね固まってきてますよ。
ホント?うわ〜ホント出来てる出来てる。
ちょっとかまど。
これをねかわいくラッピングしてみようかなと思うんだけど。
子どもたちが「ウヒャ〜」って言うように。
よいしょ。
こうやって包んでってここで…千代紙をね。
自分でやったのね?もちろん自分でやりましたよ。
そうすると…。
こじゃれとるわ。
これを剥がして…。
両面を貼ってた。
こうやってペタッと貼ると…。
すてきすてき。
こういうふうにね。
和だわ和。
ここに千歳あめを入れるこの袋!ちょっと…。
こちらもご用意致しました。
いいでしょ?これ。
ものすごいかわいい。
これ手作りだよ。
ちょっとうそでしょ。
いつもかまどが用意するのに何だって…。
(インターホン)あっ姉ちゃん帰ってきた。
姉ちゃんお帰り!千歳あめ喜んでくれるかな〜。
米あめの自然な甘さとコンデンスミルクの優しい風味がうれしい手作りの千歳あめ。
アーモンドを入れるとまた違った味わいが楽しめます。
ラッピングは和のテイストを残しつつかわいらしく。
七五三をすてきにお祝いしましょ。
長野県松本市の老舗のあめ屋さん。
作りたての千歳あめを地元の神社に届けます。
毎年1,000人近い七五三の子どもたちが訪れる…この日届けたのは1週間分の千歳あめです。
すぐさま祭壇に供えられ清めの儀式が行われます。
武芸と学問の神様を祭る深志神社に地元の子どもたちが続々とやって来ます。
神様に節目の年を迎えた事をご報告。
これからも健康に過ごせるようにお祈りします。
ご祈とうのあとに手渡されるのが長寿を願う千歳あめ。
家族にお祝いされた一日。
お味は?あめを食べる子どもたちの顔はみ〜んな笑顔。
あめを食べて元気にすくすく育ってね。
千歳あめの素朴な甘さの中には子どもの健やかな成長を願う親と地域の人々の思いが詰まっていました。
今日の「グレーテルのかまど」いかがでしたか?いや〜まさかあめを母乳代わりにしてるとは知りませんでした。
そして千歳あめには子どもたちの成長を願うたくさんの人々の思いが込められていたんですね。
そんな千歳あめの伝統がこれからも続いていけばいいなと感じました。
ではまたこのキッチンでお目にかかりましょう。
ではちょっと失礼して。
やっと食べれるよかまど。
フフフフッ。
頂きます。
まずこの白いやつから。
はいどうぞ。
う〜ん。
アハハ!何か子どもに戻った感じするね。
完全に戻ってたよ今。
おいしい!この素朴な甘さがすごくいいね。
そして…。
この赤いやつにアーモンド入ってます。
デラックスじゃないの。
おっ!アーモンドのこの香ばしい感じいいね。
甘さ引き立ってるし。
いいね。
おいしそうおいしそう。
ヘンゼルの成長を祝ってねかまどから千歳あめあげますよ。
うそ〜。
成長して下さいって事で。
まだまだって事?でも。
うん。
2015/11/13(金) 21:30〜21:55
NHKEテレ1大阪
グレーテルのかまど・選「七五三の千歳(ちとせ)あめ」[字][デ]

七五三の晴れ着を着て、長いちとせあめを口にした懐かしい思い出があなたにもあるはず。子どもの成長を願うあめ。手作りのちとせあめで七五三を祝ってみては?

詳細情報
番組内容
七五三に欠かせない千歳(ちとせ)あめ。細長い棒状の形には子どもが長生きしますようにという親の願いがこめられている。そんな子育てとあめとの深い関わりを示す伝説が各地に残っていた。京都の「幽霊あめ」や新潟県上越市の「あめ地蔵」など。お地蔵さんの口元にあめを供え、赤ちゃんにも母乳のかわりに栄養豊富な米あめをなめさせたという。スタジオではヘンゼルが家庭でできる手作りちとせあめに挑戦、特製レシピを紹介する。
出演者
【出演】瀬戸康史,【語り】キムラ緑子

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
バラエティ – 料理バラエティ
情報/ワイドショー – グルメ・料理

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
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