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【大相撲】

御嶽海「東洋大の後輩に負けない」

2015年11月17日 紙面から

北太樹(左)を押し出して5勝目を挙げた御嶽海=福岡国際センターで(神代雅夫撮影)

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◇九州場所<9日目>

(16日・福岡国際センター)

 新入幕の御嶽海(22)=出羽ノ海=がベテラン北太樹を押し出し、再び白星が先行した。横綱白鵬はかど番の大関豪栄道を寄り切り、9戦全勝で首位を維持した。横綱日馬富士は勢を寄り倒して1敗を守ったが、横綱鶴竜は関脇栃煌山に押し出されて3敗目を喫した。栃煌山は5勝目。稀勢の里は照ノ富士との大関対決を寄り切りで制し、勝ち越した。照ノ富士は5敗目。

 ざんばら髪のスター候補生が圧勝だ。新入幕の御嶽海は北太樹にまわしを与えず、一気に押し出した。33歳のベテラン相手にも冷静だった。

 「足が出ていたのでよかった。相手より早く攻めること。遅れるとまわしを取られることがある。早くすれば取られないんじゃないかと」

 場所前、後輩から刺激を受けた。力士会に出た先月27日、福岡から東京にとんぼ返り。母校・東洋大での新入幕を祝うパーティーに出席した。そこにいたのは世界で戦える3人。2年後輩でロンドン五輪競泳男子400メートル個人メドレー銅メダリストの萩野公介、男子200メートル平泳ぎで世界記録保持者の山口観弘、3年後輩で陸上100メートルで日本人初の9秒台を期待される桐生祥秀だ。「強いっすね〜」「むっちゃでかくなったっすね」。久々の再会で話に花が咲いた。

 この「仲良しカルテット」はよく食事にも出掛ける。「相撲、水泳の『す』の字も出ないですね」と御嶽海。特に萩野とは互いに切磋琢磨(せっさたくま)する存在だ。「俺の方が上だって言い合ってます。学生時代はだいたい萩野か自分の名前が張り出されていた。なるべく負けないようにしていたけれど、すごいと思いますよ。自分と同等に話してもらっている。日本チャンピオン(自分)と世界チャンピオンですから。刺激にはなってました」。相撲で全国の頂点に立った御嶽海からすれば、まぶしいキャリアを持つ後輩たちは今でもよきライバルだ。

 角界の頂点といえば横綱。1月の入門会見で御嶽海は「スピードのある押し相撲で頂点に立ちたい」と意気込んでいた。スピード出世にまげの結えないざんばら髪を振り乱して今場所を戦う22歳は「勉強ですね」と焦りはない。萩野、山口、桐生が世界の頂点に立てる逸材なら、御嶽海は角界のスーパースターへと突っ走る。 (永井響太)

 

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