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てんかん患者の運転「危険度低い」…20代男性や高齢者と比較
てんかん患者が自動車を運転して事故を起こす危険度は20歳代の男性や65歳以上の高齢ドライバーより低いという調査結果を警察庁が委託した専門家らでつくる委員会がまとめた。
昨年10~12月、てんかん専門医457人と患者2285人に運転状況や発作の有無などをアンケートし、医師138人(30%)、患者408人(18%)が回答した。
免許を調査時に保有または過去に保有していた患者は330人で、うち発作で事故を起こした人は14人。件数は22件(人身4件、物損18件)だった。
事故の発生状況と、てんかん発作のない期間を分析し、てんかん患者が交通事故を起こす危険度を算出したところ、発作が6か月起きていない人では全ドライバー平均の危険度を1とした場合、1・38倍となり、65歳以上の高齢者(1・53倍)や20歳代男性(1・70倍)を下回った。発作のない期間が「1年」では1・23倍、「2年」1・16倍、「3年」1・09倍と期間が長いほど危険度も低下した。回答率が低いものの、これらの数値は海外での研究とほぼ一致したという。
一方で、13人が運転中の発作を複数回起こしたことがあったほか、医師が運転していないと認識していた患者の3人に1人が3か月に1回以上運転していた。
調査に携わったNTT東日本関東病院てんかんセンター長の川合謙介さんは「1年以上発作のない患者の危険度は高くないと言えると思う」とした上で、「睡眠不足や過労、薬の飲み忘れは、発作を起こすリスクが高まるので、そうした時の運転は控えるよう注意が必要だ。運転の適否については、担当医とよく相談してほしい」と話している。
(2015年11月12日 読売新聞)
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