韓国・北朝鮮
[日韓首脳会談]朴槿恵が陥った反日パフォーマンスの落とし穴 主導権は日本に移った
韓国やアメリカ、そして日本大使館前にも設置されている慰安婦像
11月2日、日韓首脳会談に応じた韓国の朴槿恵大統領。その背景には韓国経済の苦境がにじみ出ていた。中国経済失速を受け、対中輸出が激減。そして日本からの対韓国経済投資も前年比7.5%減っている。さらには今年9月までに訪韓した日本人は前年同期比で23.4%減だ。中国に追従(ついしょう)し日本を足蹴(あしげ)にしてきた朴氏の外交政策が経済面で完全に裏目に出ている。さらに政治的にも、朴氏には今までの反日強気外交のツケが回ってきていて、自縄自縛に陥っているのだという。元朝日新聞ソウル特派員でジャーナリストの前川惠司氏が例をあげる。
「昨年、韓国はフランスの漫画祭で慰安婦展示を行い、国際社会に向けて反日をアピールしました。この時、現地を訪れて展示を喧伝した女性大臣は、後に女性初の政務首席秘書官に抜擢。反日パフォーマンスをすれば出世できるとの政治的土壌を、朴氏自ら作ってしまった。この秘書官は、かつて国連で過激な慰安婦演説もしていますが、彼女が反日演説をしたいと要求すれば、もはや朴氏がそれを止めることはできない。なぜなら、朴氏こそが反日パフォーマンスを煽ってきた当人だからです。朴氏自身にも国内の反日の動きは制御できなくなっているんです」
要は朴氏は、アクセルだけでブレーキのない「反日自動車」を操縦してきたわけだ。
しかし、大統領就任以来、2年8カ月にわたって続けてきたその「暴走」が、安倍総理のスタンスを変えるに至らないまま、後述するように米国の意向もあり、今回、朴氏は首脳会談の席につかざるを得なくなった。とはいえ、国内世論を納得させるためには、形だけでもいいから成果、いや成果らしきものを見せなければならない。そこで、「協議の加速化」という、まさに成果らしきものを演出したのである。その実態は、問題解決に向けたゴールが定まっておらず、何の中身もないお題目に過ぎない。 件の会談の際、韓国側は、日本が要求していた安倍総理との昼食会を「時間がない」と拒否した。これについても、非礼ではあるものの、 「慰安婦問題で日本からの譲歩を引き出せないと踏んだ韓国が、日本に屈しているわけではないと国内世論に訴えるための苦し紛れのパフォーマンスだったのだろうと、官邸は大人の受け止め方をしています」(官邸担当記者) 前川氏が後を受ける。 「首脳会談では、韓国のTPP交渉参加に日本が協力することになりましたが、どこまで韓国を後押しするかは日本の匙(さじ)加減に掛かっています。これまで、世界文化遺産登録などで、散々、韓国に嫌がらせをされてきた日本が、果たしてどこまで韓国のために骨を折るでしょうか。日韓関係の主導権は今、日本の手にあると言えるでしょう」 最後に、産経新聞ソウル駐在客員論説委員の黒田勝弘氏が総括する。 「アメリカが、中国とばかりベタベタするのではなく、日本とも仲良くしろと韓国に圧力を掛けた結果、開かれた今回の日韓首脳会談の肝は、慰安婦問題の解決策を示さないと会談はしないとしてきた朴大統領が、それを脇に置いて安倍総理と会った点に尽きます。すなわち、慰安婦問題が日韓関係改善の『入口』ではなく『出口』に後退した。韓国に妥協しなかった安倍外交の勝利に他なりません」 これを機に朴氏には、韓国の置かれた状況を直視し、今後は日本に対して吠えるのも大概にしてもらいたいところだが、「反日」が身に沁(し)みついた彼女は、きっと条件反射的に日本に噛みついてくるのだろう。 パブロフの……。 「特集 【珍しく1ポイント奪った『安倍外交』】反日『朴槿恵』大統領敗北は『慰安婦』の空砲」