ジュンク堂:民主主義フェア、選書を入れ替え再開…渋谷店
毎日新聞 2015年11月13日 20時15分
大手書店「MARUZEN&ジュンク堂書店」渋谷店(東京都渋谷区)は13日、先月から中断していたフェア「自由と民主主義のための必読書50」を「今、民主主義について考える49冊」に改めて再開した。店員の書き込みをきっかけに、インターネット上で「偏向している」と批判されたのを受けた措置。中断前から約3分の2の本を入れ替え、「誤解される余地のないようにした」と説明している。
フェアは安全保障関連法成立後の9月下旬に始まり、10月末まで実施する予定だった。しかし、10月中旬に店員がツイッターで「ジュンク堂渋谷店非公式」と題して「年明けからは選挙キャンペーンをやります!夏の参院選まではうちも闘うと決めましたので!」「一緒に闘ってください」と書き込んだところ、ネット上に「書店が特定の思想・信条を支持するのはどうなのか」といった投稿を含め、反対、賛成両論があふれた。渋谷店は10月21日に棚を撤去し、書店のホームページで「本来のフェアタイトルの趣旨にそぐわない選書内容だった」とコメントしていた。
再開したフェアは、安保法反対の活動をした学生団体SEALDsと高橋源一郎さんの共著や、五野井郁夫・高千穂大准教授の本を引き続き選んだが、小熊英二・慶応大教授、中野晃一・上智大教授、映画監督の想田和弘さんらの本を外した。
一方、長谷川三千子・埼玉大名誉教授、佐伯啓思・京都大名誉教授ら保守派の論客や、ジャーナリストの池上彰さんの本を加えた。SEALDsの本は最下段に陳列した。
入れ替えについて広報担当者は「個別の本が良いとか悪いとかではなく、フェアタイトルに合っているかを考えた」と話した。フェアは来月12日まで。今回フェアから外した本も多くは店内で陳列している。
都内の出版社の編集者は「前回と比べて見なければ、おおむね『良いフェア』と言われる選書ではないか」と話した。【青島顕】