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【あめりかノート】
中国が「歴史の直視」迫る一方で踏みにじる日本の戦後史 古森義久
この種の反日キャンペーンの過熱にさすがに英誌「エコノミスト」が今年8月に巻頭社説で「日本の悪魔化は危険」と逆に中国を批判した。日本を現代の悪魔のように描くのは不当であり「中国こそアジア制覇の野望のために歴史をねじ曲げ、日本の弱化に利用している」と非難した。
だが日本では中国からの歴史問題糾弾となると、自国側に非があるかのように、うなだれてしまう向きも多い。米国の一部でも日本側の歴史認識への批判的な視線は存在する。
この点、シュライバー氏の見解は明快だった。同氏はまず習主席がまれにしかない国連演説で抗日戦争の歴史に最も多くの言葉と精力とを割いた事実は中国が歴史利用の日本糾弾を当面の最大の対外戦略としていることの証明だと強調した。そのうえで同氏は語った。
「中国は歴史といっても1931年から45年までの出来事だけをきわめて選別的に提示し、その後の70年間の日本がかかわる歴史はすべて抹殺する。日本の国際貢献、平和主義、対中友好などはみごとに消し去るのだ」