パリで起きた同時テロ事件を受け、在韓フランス大使館(ソウル市西大門区)の正門前は犠牲者に哀悼をささげる弔花とロウソクであふれた。フランス人だけでなく、韓国人も大使館前を訪れた。
会社員のキム・ヒョンジンさん(31)は「遠く離れた国でも、ニュースを見て悲しくなり、娘とここに来た。フランス国民の心の傷が早く癒されることを祈りたい」と話した。大使館側は弔問者のための記帳所を設けた。
大使館はウェブサイト上での弔問も受け付けている。大使館関係者は「犠牲者を哀悼する韓国人からの電子メールが多く寄せられている」と説明した。
弔問客は14日から集まり始めた。400人余りいる在韓フランス人が大使館前で黙とうや祈りをささげた。ファビアン・ペノン駐韓大使は「悲劇的な事態が起きた。フランス人は団結して困難を乗り越えなければならない。慰めの意を表明した韓国政府に感謝する」と述べた。
フランス大使館は16日にも午後3時から6時まで弔問を受け付ける。韓国外交部(省に相当)の林聖男(イム・ソンナム)第1次官は16日午前、外交部長官の代理として、フランス大使館を弔問のために訪れる予定だ。
「リトルフランス」と呼ばれるソウル市瑞草区のソレマウル地区も悲しみに包まれた。6月から韓国に住んでいるマティユさん(42)は「信じられない事件に地区全体は大騒ぎだ。これ以上悲劇的なことが起きないように、家族と家の中で祈った」と話した。同地区のフランス料理店関係者は「フランス人客だけでなく、韓国人客も沈痛な面持ちだった」と語った。
一方、韓国政府はフランス全域に渡航警戒情報を出した。パリなど首都圏は「渡航自粛」に相当する「黄色警報」、残る地域は「渡航注意」に相当する「青色警報」とした。
外交部関係者は15日、「該当地域を訪れる人は旅行の必要性を慎重に検討してほしい」と呼びかけた。韓国政府の渡航警戒情報は、渡航注意(青色)、渡航自粛(黄色)、退去勧告(赤色)、渡航禁止(黒色)の4段階から成る。