このようなパターンを繰り返さないためには「収益の追求」というプロ本来の姿に戻り、チームも収益を出せるようにしなければならない。これまでプロ野球を通じて収益を手にしてきたのはチームではなく地方自治体だった。特に三つのプロ野球チームを抱えるソウル市は、各チームから球場の使用料として毎年数十億ウォン(数億円)を受け取り、また広告収入など球場運営に伴う収益まで持っていく。広告収入や運営権についてはチームにも一定の配慮をすべきとの指摘もあるが、自治体としてはこれまでの収入を簡単には諦めないだろう。そのためプロ野球経営は「興業は大成功、収益はすずめの涙」というパターンからいつまでも脱却できない。
米メジャーリーグのニューヨーク・ヤンキースが新球場建設の条件としてニューヨーク市と合意した敷地使用契約は「40年、毎年10ドル(約1200円)」だ。その上安定した巨額の収益をもたらす運営権と広告収入はヤンキースが手にする。米国と日本のプロ野球チームはどこもこのような形でチーム運営から収益を得ているようだ。このように米国や日本の自治体がプロ野球チームにさまざまな配慮を行う背景には「野球は市民に大きな喜びや楽しさをもたらし、地域経済にもプラスになる」という信頼感がある。韓国だけが特別な事情を抱えているわけではないだろう。チームが少しでも収益を得られるよう、自治体にも少しは譲歩してほしいものだ。