【記者手帳】韓国の警察はもっとかっこよくなれ

【記者手帳】韓国の警察はもっとかっこよくなれ

 駐車違反や禁煙違反の取り締まりを行う警察や役所の職員が、時に取り締まられた側から暴行を受け、暴言を浴びせられることがよくある。このようなニュースを見聞きするたびに、記者は米国滞在中に違反で警察に捕まった時のことを思い出す。

 1991年、記者は米国で800ドル(現在のレートで約9万8000円、以下同じ)の中古車を購入して使用していたが、ある日後ろから突然パトカーが追跡してきてヘッドライトを点滅させた。これが停車を命じる合図だということを記者は知らなかった。最初は道を譲るよう指示しているのかと思って車線を変更したが、すぐにまた後ろから同じ合図を送ってきた。もう一度車線を変更すると、今度は回転灯を点滅させ「Pull over(車を止めろ)」と強い命令口調でアナウンスしてきた。記者はこの言葉が停車を命じることも知らなかった。韓国ではこのように日常で使われる英語を学んだことがなかったからだ。

 ちなみに米国の交通警察は州ごとに「ポリス」「シェリフ」「ハイウエーパトロール」「レンジャー」などさまざまな名称で呼ばれているが、記者がいたオレゴン州ではパトカーに「レンジャー」と書かれていたようだ。車を止めると、西部劇映画でよく見るカーキ色の制服にカウボーイハットをかぶった警察官がパトカーから降りてきた。

 このカウボーイ姿の警官は「窓を開けてハンドルに手を乗せなさい」と命令した。その瞬間、以前友人から「米国で交通違反で捕まったら『アイ・キャンナット・スピーク・イングリッシュ(わたしは英語が話せない)』と言え。そうすれば警察は諦めてそのまま逃がしてくれるだろう」という話を聞いたことを思い出した。またロサンゼルスのラジオ・コリアではこのようなときに「今回だけは見逃してくれ」と頼むよう教えていた。しかしこのときはそのような言葉さえ口にしにくいほど、何だかただならぬ雰囲気だった。バックミラーを見ると、同じくカウボーイハットをかぶったもう一人の警官がライフルを持って近づいてきた。記者は震えながらハンドルに手を置いた。

 警官は記者に「車を止めろと言ったのになぜ止まらなかったのか」と尋ねてきた。「止めろという意味だとは知らなかった」と言うと「パトカーがヘッドライトを点滅したら止まれ」とした上で「警官が命令したときは、すぐそのとおりに従え」と強い口調で言った。もしすぐ命令通りやらなければ、後から裁判になったときに非常に不利になるそうだ。警察官の指示に直ちに従わないだけでも罪になるからだ。

週末ニュース部=韓賢祐(ハン・ヒョンウ)部長
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