日本では全ての小中高校は交通安全教育を担当する教師を1人以上必ず置かなければならない。この教師は警察で研修を受け、3人のボランティアと共に子供たちに交通安全教育を行う。教師の人件費は国と地方自治体が負担する。サムスン交通安全文化研究所のチャン・テクヨン主席研究員は「韓国でも学校で子供たちに交通安全教育を行うための人材と予算を早急に確保しなければならない」と指摘する。
日本は超高齢社会といわれているが、その日本で2013年に発生した運転中の交通事故による死亡者数は1415人で、そのうち613人(43.3%)は65歳以上の高齢者だった。そのため日本では自動車学校を中心に高齢者を対象とした交通安全教育が活発に行われている。通常は教習所1カ所に半径10キロほどの範囲が割り当てられ、70歳以上の高齢者を対象に交通安全教育を行っている。私設の自動車学校が地域の交通安全教育を担っているわけだ。取材当日もうらわ自動車教習所の通常の講習室横にある高齢者用の講習室では、70歳以上の高齢者が教官の指示に従い、ドライビングシミュレーターなどを使って講習を受けていた。
韓国では2011年の規制緩和を受け、自動車学校で学科5時限、技能2時限、走行6時限の合計13時間の講習を受ければ、それだけで運転免許試験が受けられるようになった。そのため「韓国は運転免許を取得しやすい国」として知られるようになり、非常に多くの中国人が韓国に運転免許を取るためにやって来るようになった。韓国では高齢者を対象とした交通安全教育も不十分だ。うらわ自動車教習所の関係者は「運転免許証を取得するのに必要な講習は、安全運転を体に染みこませるものでなければならず、交通安全教育は生涯教育の次元で行われなければならない」と話した。