先月14日午後、埼玉県のうらわ自動車教習所を取材した。運転免許証の取得を目指す20代の若者およそ30人が学科講習を受けていた。教官は黒板に高速道路が表示されたボードを設置し、追い越し車線と走行車線の決まりについて説明していた。教習生の吉田さん(23)は「試験に合格するには、追い越し車線などこのボードに出ているさまざまな交通標識について熟知しなければならないので、最低3カ月はかかるだろう。決して楽ではない」と話した。日本では筆記試験用に6300種類の問題がプールされているが、これは韓国(715種類)のほぼ9倍だ。
うらわ自動車教習所には40人の教官が勤務しており、ここを通じて年間4000人の教習生が免許を取得するという。日本では自動車学校で技能19時限と学科16時限を受講すれば、仮免許の試験を受けることができる。この仮免許を取得すれば、運転免許センターで受ける学科、技能、適性試験のうち技能試験が免除される。受講料は普通自動車の場合で29万9000円だが、自動車学校を経ずに運転免許センターで試験に合格する割合は、免許取得者全体のわずか2%ほどだ。つまりほとんどは自動車学校を通じて免許を取得しているわけだ。
日本の自動車学校が教習生に対して耳にたこができるほど強調して教え込んでいるのが「安全」だ。道路は誰もが使うものであるため、他人に迷惑を掛けてはならないというのが安全教育の基本中の基本だ。日本の自動車学校が成人の教習生向けに交通安全教育を行う場所だとすれば、子供への交通安全教育は小中高校で行われている。日本では2001年に学校保健安全法が制定され、小中高校でも交通安全教育を行うことが制度として定まった。この法律が制定される際に諮問委員として検討に加わった日本交通安全教育普及協会主幹の成迫俊美氏は「法律の制定に向けてアンケート調査を行ったところ、成人の40%以上が交通法規についてよく知らないと回答した」「結局は子供の時から交通法規を徹底して教え込む以外に解決策はなかった」と語る。