【萬物相】「隠れた愛国者」遠洋漁業の船員たちを忘れない

 数日前、仁川国際空港に四つの骨壺が到着した。ラス・パルマスに埋葬されていた遠洋漁業の船員たちの遺骨だった。遺族は複雑な手続きや高い費用のため、これまで遺骨を引き取ることができなかった、政府と漁業会社が前面に出ることで、ようやく問題が解決したという。40年ぶりに祖国に帰ってきた故キム・ヨンテクさんの弟は涙ながらに語った。しっかり者だった兄は友人の連帯保証人になったために全財産を失い、漁船に乗ることになった。兄が送ってくれたお金で、家族は借金を返し、田畑を買うことができた。母は兄に会えないまま亡くなったが、今、魂だけでも帰ってきたから…」

 「民族の豊かな明日のために身をささげた若者たちが海で命を落とした。青い海の中に足跡もなく消えていったが、私たちは決して彼らを忘れないだろう」詩人朴木月 (パク・モクウォル)がラス・パルマスの慰霊塔に刻んだ献辞だ。その固い志とは裏腹に、遠洋漁業の船員たちを記憶している人は多くない。いまだ異国の地から帰ることのできない遠洋漁業の船員たちの遺骨は数百柱に上るという。彼らが故郷に帰り、安らかに眠れる日が来ることを願おう。

キム・テグン論説委員
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