韓国法務部(省に相当)は、政府の発注した工事の入札で談合により不当な利益を得ていたことが分かった大手建設会社5社を相手取り、251億ウォン(約26億2800万円)の損害賠償を求める訴訟を起こしたことが、13日までに分かった。
これまでにも、工事の発注元が談合を行った建設会社に対し個別の訴訟を起こしたケースはたびたびあったが、政府の法的な代理人である法務部が直接訴訟を起こしたのは今回が初めてだ。これは建設会社の談合に伴って国庫に損失を与えた分を必ず取り戻すという意向が反映されたとみられる。
法務部は13日、2010年に慶尚北道浦項市の迎日湾外港工事(1924億ウォン=約201億4600万円規模)の入札で談合を行ったSK建設、大林産業、現代産業開発、現代建設、ポスコ建設などを相手取り、134億ウォン(約14億300万円)の損害賠償を求める訴訟をソウル中央地裁に起こした。この工事はSK建設が受注したが、談合に加担したほかの建設会社に対しても損害賠償責任を問うというわけだ。法務部はまた、迎日湾の南防波堤建設工事(1185億ウォン=約124億800万円規模)で談合による入札を行ったSK建設、現代産業開発、大林産業を相手取り、117億ウォン(約12億2500万円)の損害賠償を求める訴訟を、先月27日に起こした。この工事でも受注したのはSK建設だった。
公正取引委員会は昨年と今年、これらの工事での談合の有無を調査し、各建設会社に対し300億ウォン(約31億4100万円)程度の課徴金を科した。だが、法務部の関係者は「課徴金は法律で定められた制裁措置にすぎず、損害賠償請求訴訟とは別個だ」と語った。