韓国の化粧品業界で1・2を争うアモーレ・パシフィックとLG生活健康が、3年間にわたる化粧品関連の特許争いにピリオドを打ち、特許を共有することで合意した。今回の合意は、「Kビューティー(韓流コスメ)」二大企業が韓国製化粧品の海外における競争力向上を目指して手を取り合い、新たなモデルを示したものと評価されている。
両社は12日、アモーレ・パシフィックが「クッション・ファンデーション」に関する主要特許をLG生活健康と共有し、その代わりにLG生活健康は歯のホワイトニング・パッチ関連特許ライセンスを渡すという契約を結んだ。
クッション・ファンデーションとは、ウレタン素材にファンデーションを入れ、粒子が肌に均等に密着するようにした製品だ。2008年にこのクッション・ファンデーションを発売して大ヒットさせたアモーレ・パシフィックは、ライバル企業が同様の製品を相次いで出したのを受け、12年9月にLG生活健康を相手取り特許侵害禁止訴訟を起こした。LG生活健康は特許権の無効訴訟で対抗、これまで3年間にわたり特許争いが続いていた。
両社が特許争いをやめたのは、「Kビューティーのグローバル競争力向上」のためだ。クッション・ファンデーションは中国や東南アジアでも最近人気になっているだけでなく、世界的なブランドのランコムまで同様の製品を今年発売した中、「国内での内輪もめ」より「海外市場拡大」の方が重要だという考えで一致したもの。両社は今年9月に中国・杭州と南京で「Kビューティー・ショー」を共催した。
また、この背景には同じ米コーネル大学経営管理学修士(MBA)課程で学んだアモーレ・パシフィックの徐慶培(ソ・ギョンベ)会長とLG生活健康の車錫勇(チャ・ソクヨン)副会長による戦略的提携があるという見方もある。アモーレ・パシフィック関係者は「企業の特許を認めて協業するよいう考え方が定着することを希望している」と語った。