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今年7~9月期の国内総生産(GDP)は、物価変動の影響を除いた実質ベー…
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今年7~9月期の国内総生産(GDP)は、物価変動の影響を除いた実質ベースで前期比0・8%減(年率換算)となり、4~6月期に続いてマイナス成長だった。
個人消費や、輸出から輸入を引いた外需は前期のマイナスからプラスに転じたものの、力強さに欠ける。企業の設備投資も過去最高水準の高収益が続いているにもかかわらず、水面下に沈んだままだ。
外需や設備投資の不振は、世界第2の経済大国である中国の変調が主因だろう。ただ、その中国経済も夏の株価急落後は小康状態にあり、リーマン・ショック時のような世界的な動乱にはなっていない。
ここは、足元の数字の浮き沈みに一喜一憂するのではなく、中長期的な視点で今後を見すえるべきだ。世界経済が頼む中国は、投資・輸出頼みの成長から内需中心の安定成長へ体質転換を迫られている。かつてのような高成長の継続は望み薄だけに、日本の成長率にもおのずと限界があろう。
安倍政権は「GDP600兆円」を掲げるが、それには毎年度、実質で2%、名目だと3%超の成長が必要だ。経済のパイを大きくすることは大切だが、実現の道筋が見えない高い目標を設定し、それに伴う税収増を財政再建計画に織り込むのでは、計画への不信感を高めるだけではないか。
財政面の当面の試金石は、今年度の補正予算と、その前提となる緊急対策である。
甘利経済再生相は、人手や資材の不足を踏まえ、景気刺激を狙った公共事業の追加を否定した。安倍首相は「1億総活躍社会」に関して掲げた目標に沿って、出産・子育てや介護分野に直結する項目に絞るよう、指示した。
しかし、補正予算は、災害復旧費や疾病流行の対策費など、予測できなかった緊急の支出に対応するのが役割だ。今年度の補正では、社会保障分野とともに、環太平洋経済連携協定(TPP)の大筋合意を受けた農林漁業対策も柱になりそうだが、そうした政策は本来、来年度の当初予算案の編成作業を通じて吟味するべきだ。
今年度の税収が見込みを上回りそうだとしても、その増額分を補正に回すことが当然のように語られているのはどうしたことか。国債の追加発行さえ避ければ財政規律は保たれると考えているのなら、とんでもない。国の今年度当初予算では、37兆円近い新規国債が計上されている。それを忘れてはならない。
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