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【野口裕之の軍事情勢】拷問を隠す中国が、公表した米国を非難する鉄面皮

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【野口裕之の軍事情勢】
拷問を隠す中国が、公表した米国を非難する鉄面皮

記者会見する中国外務省の洪磊(こう・らい)報道官。その鉄面皮ぶりは漫才の基本テクニックに通じ、発するコメントはもはやコントといえる=2014年12月11日、中国・首都北京市(共同)

 桁違いの虐殺者数

 米特別委は内部文書など600万点強の証拠を追跡、6700ページに及ぶ報告書を作成した。顔に大量の水を注ぐ水責め▽立たせ続けて睡眠を奪う▽氷水に入れる▽狭く暗い部屋に長時間幽閉▽衣服を与えない▽家族に危害を加えると脅迫する-などが記されている。報告書の確度に疑問も有る上、安全保障・軍事を善悪や一般犯罪と同列に論じてはならないが、米国も国際の法や慣習には原則従うべきだ。

 だからといって、中国に米国を非難する資格はゼロ。米国にならい中国が報告書を作成するとすれば、世界の紙市場の高騰を招くほどの頁数になる。

 例えば独自文化を葬るべく、中国がジェノサイド(大量虐殺)と遊牧民の牧畜生活・環境破壊を繰り返した内モンゴル自治区。静岡大学の楊海英教授(50)の調べでは、舌を切り取られ、妊婦の胎内より胎児を引きずり出される拷問が平然と実行されている。中国政府が認めた1966年だけで、人口150万に満たない自治区で2万8000人近くが殺され、34万6000人が逮捕された。ところが死者には、熾烈な拷問で出獄後亡くなった犠牲者は含まれない。重篤な逮捕者は死ぬ寸前に釈放されたのだ。死者数はまやかし。「遅れた死」と呼ばれる。

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