○ |
委員:その連隊の営内班は容易に上級陸曹が行ける状況にありますか、他の部隊では上級陸曹が営内班に行きづらいという話を聞いたことがありますが、どうでしょうか。 |
○ |
参加者:自由に行き来できます。 |
○ |
委員:例えば1日に何回ぐらいですか。 |
○ |
参加者:上級陸曹は私の他に1名、計2名おりますが、1日の中で朝、昼、帰宅前の3回は最低でも行っていると思われます。 |
○ |
委員:先ほど、カウンセリングがうまくできなかったと反省を述べられていましたが、事例になった隊員は、事前に相談はなかったのですか。 |
○ |
参加者:私の前任者には話をしていたようですが、私に対する引き継ぎがなく、私は掌握しておりませんでした。 |
○ |
委員:自販機を荒らした事例について、その隊員は金銭的に困るほど菓子類を買っていたということですが、このことは事前にはわからなかったのですか。 |
○ |
参加者:菓子類を大量に買って食べているということには気が付いていました。しかし、金銭面で窮するほど購入していたことについては当時はわかりませんでした。 |
○ |
委員:事前に健康面からチェックすることも必要だったかも知れません。 |
○ |
先ほどの兼業の件について、違反行為はもちろん悪いことですが、最後に上司に相談に来たということは、この職場が非常に相談しやすい雰囲気があったと考えられ、その点については良かったのではないかとの所見を持ちました。
次に質問ですが、精神的に参ってしまった隊員について、最初の頃は元気だったのですか。 |
○ |
参加者:そうです。 |
○ |
委員:そこに至る原因というのは、環境変化やプレッシャーということですが、一番大きなものはどこにあると思われますか。 |
○ |
参加者:緊張感からくるものだと思われます。当時の部隊は勤務条件も厳しく、そのうえ、対人関係から生じる心理的な緊張感が重なったためと思われます。 |
○ |
委員:皆さんのような立場になる前に、カウンセラーとしての教育を1日でも受ける機会はありましたか。 |
○ |
参加者:私は演習中で参加できませんでしたが、1~2週間程度研修の機会がありました。 |
○ |
委員:皆さん全員について、そういった機会があるのですか。 |
○ |
人事第1課長:陸上自衛隊においては、全国に約3千人程度の曹クラスを中心とした部内カウンセラーがいると聞いております。それはカウンセラーの資格を有している訳ではありませんが、部内において基礎的な知識を付与したうえで実施しており、本格的なカウンセリングについては部外の方に依頼しています。 |
○ |
委員:そういった教育を少しでも受けるだけで、上司と部下の関係が改善されることがあります。ベースにカウンセリングの基礎があると話し易くなり、最初から怖がられていると相談しにくいことがあります。相談しやすい雰囲気がありますと、様々な問題が未然に防止できる可能性があります。また、メンタルな面の知識があれば、例えば先ほどの菓子類の大量摂取というのはいわば病的なもので、普通に勤務していたとしても、すぐに医者の診療を受けさせて治療を進めていくということも必要で、そういった選択もできたのかも知れません。 |
○ |
座長:それでは時間がまいりましたので、陸上自衛隊についての個別質疑は一旦終了したいと思います。 |
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(海上自衛隊) |
○ |
参加者:私は32年間の勤務のうち、約25年を艦艇勤務で過ごしてきました。艦艇の勤務は緊張の連続であり、少しの気の緩みから大きな艦船事故に繋がることもあるため、艦内においては艦長をはじめ、各乗組員が様々なことに目を配り、気を配って勤務しております。そのうえ、限られたスペースの中で、長期にわたり生活する環境は、非常にストレスが溜まりやすい環境だと思われます。そのため、休暇や上陸の機会に、開放感から来る行き過ぎた行動によって服務事故を起こすこともあり、そういったプライベートな時間に、いかに節度ある行動ができるようにするかが指導上大切なところだと思います。私はまず、職場に属することへの満足感、自衛隊で勤務することへの満足感が得られるようにすることが重要だと考え、その方策の一つとして、艦艇間における競技への参加などを通じて、厳しい訓練を課すことによりチームワークを錬成し、その中で得られる達成感が、個々の隊員の自信に繋がるように配慮することを心がけています。自信を得ると周囲との人間関係も広がり、お互いの連帯感が強化され、皆に迷惑をかけたくない気持ちが上陸時の行動に抑制をかけていくと考えています。また、人間関係の広がりは、行動の変化に気付く機会を多くし、大事に至る前に周囲が気付き、対策を考えることも可能なため、そういった環境をいかに作っていくかが重要だと思います。理想的すぎるかもしれませんが、指揮官の理解と指導があれば不可能ではなく、厳しく忙しい勤務が続いたとしても、達成感と連帯感を持たせることができれば、可能であると考えています。以上です。 |
○ |
参加者:私の問題意識として、近年、部隊において、階級に対する意識が徐々に希薄になっているのではないかと感じています。これは海曹士だけの問題ではないと思っておりますが、特に若い3曹・海士の間で顕著に見られる傾向だと感じています。現在、海士から海曹へ昇任するための試験に合格することが、非常に難しい状況にあります。そのため、一般曹候補学生、曹候補士などの区分で採用され、若くして3曹になった隊員に対して、経験や技量に勝る海士長達が名前を呼び捨てで呼んだり、少し見下げたような態度をとるといったことが見受けられます。こういった意識が広がるとスムーズな命令の下達や任務の遂行を阻害することに繋がり、精強な部隊を形成するうえで、将来大きな障壁となるのではないかと危惧しております。3曹への昇任については、学力、試験中心となっている今の昇任や採用の選考基準に加え、3曹に求められる指導力といった面をもっと重要視して欲しいと考えています。また、現在の海曹の教育は3曹昇任者を対象とした教育ですが、これに代わり、3曹候補者全員に対する教育を実施し、不適格者は排除することも検討が必要と考えています。
服務事故について事故例を見てみますと、大きな服務事故を起こす者は、過去にも事故歴がある場合が多く、過去の事故処分が、本人の更生を期待したため、甘く行われたのではないかという疑念が生じることがあります。信賞必罰の言葉どおり、賞される行為については惜しみなく称え、必要な処分は適切に厳しく行われるべきで、結果的にそれが本人のためであると思われます。以上です。 |
○ |
参加者:近年、新入隊員の高学歴化が目立ち、それに伴って部下指導・身上把握も年々難しくなっていると感じております。我々が新入隊員の頃は、上司の指導は絶対であり、そこに説明を求めることはなかったのですが、現在の若い隊員に対しては、彼らが持つ疑問に対して如何に説明し、納得させられるかが重要であり、服務事故の防止についても、服務事故を起こした時のデメリットについて、事故事例をいくつか紹介し、事故ごとの懲戒処分、給与、手当、昇給への影響、上陸(外出)の制限などを具体的に示すことが効果があるように思われます。また、身上把握については、部下との信頼関係の構築に努め、根気強く歩み寄り、些細なことでも相談できる雰囲気作りを心がけることが必要だと思います。相手の立場を理解し、親身になって話をすることが大切だと思っております。以上です。 |
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(質疑応答) |
○ |
委員:先任伍長制度について具体的な成果、要改善事項がありますか。 |
○ |
参加者:具体的な成果については、発足から9ヶ月であり、委員の先生方に申し上げるような事項はありませんが、海上幕僚長をはじめとした指揮官からの縦の指揮系統に対して、それらを紡ぐ横糸として海上自衛隊を支えているという自負はあり、先任伍長には従来に比べて上からの情報が入るため、横の連携で情報を交換することで、海曹海士の間では状況認識が深くなりました。 |
○ |
委員:指揮官と伍長とのコミュニケーションは改善しましたか。 |
○ |
参加者:指揮官の言うことの意図がよくわかるようになりました。直に聞いたものを下の者にかみ砕いて伝えることができるようになったということも言えるかもしれません。 |
○ |
参加者:先任伍長は先任者が順々になっていた従来とは自覚が全然違っています。先任伍長会合についても、出席者皆が活発な意見交換を行っています。情報の共有化が進み、事故防止にも効果が上がっていると思います。 |
○ |
委員:先任伍長制度というものが、わからない方もいらっしゃると思いますので簡単な説明をお願いします。 |
○ |
人事第1課長:先任伍長というのは、予算や組織で認められた制度ではなく、いわゆる俗称であり、海上自衛隊の中で昨年4月から海曹の中から服務指導等を主任務とする曹を選び、幹部と協力して一般隊員の服務指導にあたる制度を設けました。海上自衛隊は服務指導・身上把握の切り札として位置づけておりますが、一方で、厳しい見方があることも事実です。 |
○ |
委員:艦艇のチーフペティオフィサーとはどう違うのですか。 |
○ |
参加者:艦艇では従来から俗称で先任伍長というのを設けておりました。警衛海曹の先任海曹が先任伍長となっていましたが、今の制度は人格・技量などを見て最適任者を選ぶという制度であり、副長の下で服務指導・融和団結の任に当たることとされております。 |
○ |
委員:警衛海曹の中から選ぶのは変わらないのですか。 |
○ |
参加者:自衛艦にあっては変わりません。自衛艦以外では海曹長の中から選びます。 |
○ |
委員:先任伍長の下にスタッフはいるのですか。 |
○ |
参加者:それは各部隊に任せてあります。一般的に大きな部隊では1人から2人補佐役がおります。艦艇においては先任伍長を警衛海曹が支えております。 |
○ |
座長:それでは時間がまいりましたので、海上自衛隊についての個別質疑は一旦終了したいと思います。 |
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(航空自衛隊) |
○ |
参加者:航空自衛隊も陸自・海自同様の問題があります。私が要望したいことは、一つは女性自衛官の採用枠が増えていますが、現場では育児の支援環境がなかなか整備されないため、現場の先任クラスは対応に苦慮していること、もう一つは、自衛官に不適格な隊員の入隊について、採用時、または教育隊にいる間に排除して頂きたいこと、更に任期制隊員の曹昇任の見直しを検討していただきたいことなどがあります。曹昇任については、現場での経験からいうと、組織の底辺として長く勤務してきた一般の士クラスの隊員は学力的には低いところがあるものの、仕事に関しては問題なくこなしているところであり、彼らを曹として採用することは組織にとってもたいへん有益だと思いますので、今後ぜひご検討をお願いしたいと思います。また、部隊における服務面の教育や指導の分野で、肝心なのは、隊員の心情に訴える指導ができるかということだと考えておりますが、最近の若者を相手に指導することは本当に難しく、今後も従来からの服務指導で隊員の指導をやっていけるのか疑問です。服務指導専門職を導入し、従来の現場における分隊レベルの指導とは別に二本立てで実施することが望ましく、そのための制度的な整備として、米空軍において取り入れられているファーストサージェント制度についても検討をお願いしたいと思います。以上です。 |
○ |
参加者:朝早くから夜遅くまで勤務する隊員に、服務指導について、いかに理解してもらうかということは苦労の連続です。服務指導といっても、個人のプライバシーがありますので、どこまで立ち入れるのかについては常に苦慮しております。若い隊員は我々とはちょっと思考が違うのではないかと思うところもあり、内務班における問題などは、世代間で意見に相当隔たりがあることから、まとめるのに苦慮しております。そういう中で、服務指導上の意見として、適切な情報に基づいた指導、人間味のある指導、指揮官が聞く耳を持つことが重要だと思います。やはりある程度の権限を付与してもらったうえで、それを制度化する。先ほども話がありましたファーストサージェント制度の導入についても検討すべきだと考えています。以上です。 |
○ |
参加者:私が准曹士先任の時に3件の自殺が発生しました。3件目の隊員については面談等を行いましたが、兆候を感じ取ることはできませんでした。その時の部隊の対応として、基地の全隊員を集めて事案の説明をし、准曹士を集めて私の方から仲間としての関わりを持ってつきあうようにしようと訴えました。この後、空幕の方からメンタルヘルスケアの専門家が来て、ケアを行いましたが、注意を喚起された隊員については特に気を付けて様子を見たり面談等を行いました。服務指導とカウンセリングを両立させるのは難しいと日々感じております。要望としては末端の部隊までメンタルヘルスの専門的知識をもった隊員を配属していただきたいと思います。以上です。 |
|
(質疑応答) |
○ |
委員:離島など厳しい環境にある地理的な特性が自殺に影響しているのですか。 |
○ |
参加者:全くないとは考えておりませんが、私が勤務する基地については近くに都市部があり、営内者は下宿しておりますので、例えば離島にあるレーダーサイトなどよりは恵まれていると思います。 |
○ |
委員:1件目と2件目の隊員は知り合いだったということがないですか。 |
○ |
参加者:仕事上の関係、着任してからの期間を考えると接する機会はあまりなかったと思います。 |
○ |
委員:自殺について、防衛庁としてどう捉えるか。個人の責任の範囲と部隊の責任の範囲があると思います。自殺については部隊では対処困難であり、個人の責任として捉えるのか、あるいは自殺についても予防対策として方策を講じるのかといった問題について、ある程度割り切る必要があるという意見もあると思われますで、全体討議の中で討議したいと思います。 |
○ |
委員:米軍のファーストサージェント制度とはどういうものなのでしょうか。 |
○ |
参加者:米空軍では将校と下士官の階級構成があり、下士官のうち、曹長の階級の中から、本人の希望と直属の上司の推薦をもってファーストサージェント(中隊先任下士官)が任命され、下士官の服務指導のみならず、将校との連絡調整や福利厚生などの分野を担当任務とし、兼務ではなくファーストサージェントの職務に専従で、米空軍では指揮官の右腕として信頼されていると聞いています。 |
○ |
委員:自衛隊にはこれに当たる制度はあるのですか。 |
○ |
人事第1課長:ございません。ただ曹クラスの活性化が全庁的な問題となっておりまして、今回のヒアリングも参考にしつつ、曹クラスの活性化について検討してまいりたいと考えております。 |
○ |
委員:ファーストサージェントは基地に何名くらいいるのですか。 |
○ |
参加者:米軍の規則では65名以上の部隊についてはファーストサージェントを設置できることになっていると聞いております。 |
○ |
委員:現状では分隊長クラスは服務指導についてどのくらいのことを任されているのですか。 |
○ |
参加者:部隊の服務指導体系においては、分隊長は現場の任務優先ということで、小隊長などが服務指導を担当するのだろうという認識でありますので、改善が必要であると考えております。 |
○ |
座長:各自衛隊別の質疑については終わりにし、全体質疑に移りたいと思います。 |
|
(全体質疑・意見交換) |
○ |
委員:相談室、カウンセリングなどで悩んでいる話を聞いたりアドバイスする仕組みは、他にはどのようなものがあるのですか。 |
○ |
参加者:部隊ごとの活動ということになりまして、相談室、カウンセリング、意見箱の設置などを実施しており、担当者の会同などを通じて情報交換をしております。 |
○ |
委員:相談員やカウンセラーにはどのような方がなられるのですか。 |
○ |
参加者:先ほどもありましたように、服務指導とカウンセリングは別のものでして、部隊の中でできる方に依頼してやってもらっています。専従の方がいるケースもあれば、兼務の方が実施する場合もあります。 |
○ |
委員:そうすると、相談員に相談に乗ってもらっていて相談が何回にもわたる場合、一人の相談員が継続して相談に乗るのですか、それとも引継を行うのですか。 |
○ |
参加者:何回にもわたるという場合がそれほど多くないので、一人の者が面倒を見るということになっております。 |
○ |
委員:隊員の身上明細にはなかなか悪いことは書かないという話がありましたが、外部の人間としては、自衛隊という特性から、民間企業に比べてプライバシーについて、もっと把握しているという印象を持っていたのですが、身上明細に悪いことを書かないと言うことは、記載欄がないのでしょうか、それとも伝統的に悪いことは書かないという風潮があるのでしょうか。 |
○ |
参加者:海上自衛隊の場合、班長と呼ばれる中堅の海曹が班長手帳というノートを用意し、部下の懸案事項、家族構成などプライバシーについて記録をし、例えば班員が異動する場合などには異動先の同じ班長クラスの者へ情報提供をして、異動する班員への理解を手助けすることとし、困ったことがあれば相談の窓口になるという態勢をとっております。 |
○ |
委員:班長手帳は引き継がれるのですか。 |
○ |
参加者:規則があるわけではないのですが、伝統的にそういうことを行っております。 |
○ |
委員:陸と空は一緒なのですか。 |
○ |
参加者:基本的には一緒です。 |
○ |
委員:危険を顧みずにどこへでも行く、任務に対応できるだけの訓練を積めていると考えている方挙手をお願いします。 |
○ |
委員:約半数の皆さんが挙手されましたが、平時の業務に追われて有事の際に備えた訓練が十分できていないような気がしています。その辺りの服務指導もやらないと、これから国民の負託に応えられないと思いますが、そこまで服務指導を徹底しようというつもりはあるのでしょうか。 |
○ |
参加者:射撃訓練の際に、実際の場面で本当に任務を遂行できるのかという不安を抱かせる隊員もおります。サラリーマン化した自衛官も多いので、そういうところは今後、直していかないといけないとは考えています。 |
○ |
委員:射撃訓練に際しては練度を上げるということより、演習場外に弾を出さない点に比重がおかれているという話も聞きます。陸自は、テロなどに備え、自分たちのウェポンで対応できる能力を身につけることが大事であり、厳正な服務指導を徹底していく必要があると思います。 |
○ |
委員:自殺について、自殺の原因を究明することも大事ですが、精強な自衛隊を作るためには、質の確保が重要であり、自殺は自然淘汰として対処する発想も必要と思われます。自殺防止のために全ての隊員のあらゆる問題に対処することは極めて困難であると思います。防衛庁では自殺について別途検討されており、自殺を服務事故の一大テーマとして捉えられているということなのですが、見解をお聞かせ願えますか。 |
○ |
人事第1課長:個人的な問題に行政がどこまで介入できるかという問題があるのですが、自衛官の方が亡くなった時には組織の問題として取り上げられることが多くあります。職務に関連しての自殺というものもありますし、組織にとっても損失にもなりますので、組織として対応しなければならない問題もあると思います。 |
○ |
委員:原因究明の結果、純然たる個人的事情による自殺については追及しないというのも方策の一つかと思います。遵法精神の欠如、責任感の欠如など、部隊が責任を負うべき問題を徹底的に追及していく必要があると思います。
服務指導の充実に向けた先任伍長制度について、規則を教えて欲しいので、海上自衛隊の規則を委員に配ってください。 |
○ |
人事第1課長:分かりました。 |
○ |
委員:先ほど指導とカウンセリングは違うという話があったのですが、防衛庁は民間のカウンセラーを多く取り入れようとしていますが、現場のことを把握しているのは下士官の方であり、下士官を再教育してカウンセラーの役割を担わせたらいいのか、民間に任せた方がいいのか、見解をお聞きしたい。 |
○ |
参加者:自衛官の場合、隊務に起因した悩みというものがあり、自衛隊のことを知らない人に相談しても無駄という意識もあります。ただ、カウンセリングを服務指導の範疇でやっている部隊もあるのですが、どうしても指導になってしまうため、横須賀地方総監部ではOBをカウンセラーとして起用しています。 |
○ |
委員:利用率はどのくらいですか。 |
○ |
参加者:担当ではないので正確な数字は把握はしていませんが、利用者がいるため、継続されていると言う話を聞いています。 |
○ |
委員:いつごろからですか。 |
○ |
参加者:昨年から始まったと思います。 |
○ |
委員:先任の下士官を辞めた方がカウンセラーになっているというケースはあるのですか。 |
○ |
参加者:そういった例についてはわかりませんが、必要性は感じております。 |
○ |
参加者:補足になりますが、海上自衛隊では民間カウンセラー養成講座へ全国各地から自衛官・事務官を派遣しており、そこで得た知識を先任伍長などに伝えるということをしております。その効果によるものかは、断定できませんが、舞鶴地区では過去3年以上自殺者が0となっております。 |
○ |
委員:それは民間のカウンセラーより部内の現役の方が効果があるということですか。 |
○ |
参加者:民間、部内の差というより、カウンセラーやカウンセリングということが、定着しつつあり、窓口の存在が隊員に知られ始めたということではないでしょうか。私自身も部下や同僚に、時間に余裕がある時に、足を運べと言っています。ちょっとした身の上話を続けるうちに相互に信頼関係ができ、困った時に良い相談相手になってもらうことで、結果的に服務上の問題の未然防止に繋がるのではないかと考えています。 |
○ |
委員:窓口の存在が隊員の安心、救いの手だてになっているということですか。 |
○ |
参加者:はっきりとは言えませんが、窓口がもっと活用されるように我々が努力することが大切だと考えています。窓口もあまり仰々しい看板を掲げると「あの隊員は何か問題を抱えているのでは」と思われることを避けるために、逆に隊員が入りにくいという面もあるので、明るい人間を頻繁に行かせて雰囲気作りをしております。 |
○ |
委員:服務指導については、人間は変わり得るという前提で行っているのであり、置かれた心情を理解しあうというところからスタートするものですので、一人一人について対処を変え、良いところを引き出してやるようにしたらいいのではないかと思います。民間と部内、どちらが良いかについては、一概には言えないと思いますが、仕事上の指導では効果がない人については、民間に任せるのがいいと思いますが、仕事上の指導で効果がある場合は部内カウンセラーでやったほうが良いと思います。また、カウンセラー講習についてはすばらしいことだと思います。 |
○ |
参加者:舞鶴地区の事例を聞きまして、厚木基地でもカウンセリング講習に積極的に参加するようにしております。皆関心を持ってきており、こういったカウンセリングについての知識を持った人間が増えることだけでも効果があると思います。 |
○ |
参加者:航空自衛隊においても、北部方面航空隊に予算を付けましてカウンセリング講習を受けさせておりますが、短期間の講習で身に付けるのは難しく、本人の人間性、資質も影響するという認識を持っております。 |
○ |
委員:指導するだけでなく、部下の話を聞いてやる、伸ばしてやろうというカウンセリングマインドを持つことだけでも効果があると思います。 |
○ |
座長:活発な質疑・意見交換でしたが、時間がまいりましたのでヒアリングについては終わりにしたいと思います。今後の予定について人事第1課長からご説明をお願いしたいと思います。 |
○ |
人事第1課長:次回以降のヒアリングです。第5回、第6回、合同でそれぞれ開催したいと思います。第5回については、地方ヒアリングの結果報告を行いたいと思います。検討会議については2チームに分け、それぞれ3月の上旬、中旬に行いたいと考えております。 |
○ |
座長:それでは、皆様、長い間活発なご議論ありがとうございました。 |