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<雪祭り>なぜ雪の少ない地で?疑問の声

開催地やイベントの趣旨をめぐり、疑問の声が上がった実行委の初会合

 山形県が13日開いた雪祭り観光イベントの実行委初会合では、構成する自治体首長から開催地の選定や趣旨に対する疑問とともに、事業費の内訳に詳細な説明を求める発言が相次いだ。自治体関係者らによると、イベントは他都市の雪祭りを視察した吉村知事の意向を反映し、内容が固まったという。県は今後の会合などを通し理解を求める。
 「寒河江はハワイのようで雪のまちではない」
 大江町の渡辺兵吾町長は、周辺に比べて雪が少ない寒河江市での開催に、極端な例えで否定的見解を示した。「雪に関わる山形県民の暮らし、歴史が反映していないと祭りの意味や広がりに欠ける」とも指摘、一過性のにぎわいづくりになりかねないと危惧した。
 雪祭りを開催する各自治体中心部の積雪深は昨年2月の観測で、米沢市179センチ、新庄市134センチ。「雪旅篭の灯り」を開く西川町は2メートルを超える。一方、寒河江市は78センチにとどまる。
 県は会場の選定理由にアクセスの良さを挙げる。ふるさと総合公園は山形自動車寒河江スマートインターチェンジに隣接し、仙台圏や山形市などから誘客を期待できる。
 県の試算では、雪像制作にはダンプカーで約200台分の雪が必要となる。会場周辺での確保は難しく、隣接する西川町の弓張平駐車場から運ぶ予定で経費がかさむことが予想される。
 河北町の田宮栄佐美町長は「予算を審議する町議会のためにも運搬費を説明してほしい」と質問した。しかし県は雪運搬・雪像制作費の総額4500万円だけで、内訳を示さなかった。
 県観光交流課の担当者は「初めて開くイベントなので課題を一つ一つクリアして成功させたい」と話している。


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2015年11月14日土曜日

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