パリ=神田大介
2015年11月15日08時56分
パリで13日夜に起きた同時多発テロ事件で、犯行グループが同一の爆発物や自動小銃を持っていたことがわかった。パリ検察当局が14日夜(日本時間15日未明)に会見して明らかにした。死者は129人、負傷者は352人で、うち99人が重傷だという。
検察によると、容疑者は少なくとも7人おり、全員が爆発物を仕込んだ同じベルトをしていた。また、3人はAK47とみられる自動小銃を持っていた。
容疑者は3グループに分かれ、3人はサッカー場「スタッド・ド・フランス」付近でそれぞれ自爆テロを行い、4人が犠牲になった。
別の3人はコンサートホール「ルバタクラン」を襲撃。80人以上が死亡した。近くのレストランやカフェでも死者が出ているが、検察は「どのグループによる犯行かわかっていない」としている。
また1人はボルテール大通りで自爆テロをしたが、犠牲者は確認されていないという。
一方、検察は会見で、サッカー場で見つかった自爆テロの容疑者1人の遺体の近くから、シリアの旅券(パスポート)が見つかったと述べた。旅券の人物はシリアで1990年9月に生まれ、現在は25歳になる。だが容疑者が旅券の所有者本人かどうかは不明。
ギリシャ政府は会見に先立ち、この旅券の所有者が10月3日、トルコ国境に近いギリシャ東部レロス島で難民として手続きをとった記録があることを明らかにした。ギリシャは指紋などのデータをフランスに送った。ほかに、8月7日にギリシャに上陸した30歳の男の照会もフランスから受けたという。
コンサートホールを襲撃したグループは、ベルギーで登録されたナンバーの車を使っていた。ベルギーの検察は首都ブリュッセルで、今回のテロに関与した疑いで数人を逮捕した。
オランド仏大統領は14日午前のテレビ演説で、事件が過激派組織「イスラム国」(IS)によって引き起こされたと断定。「今回の戦争行為は事前に準備され、組織的に計画されている。外部の計画と内部の共犯関係で引き起こされたものだ」と述べていた。(パリ=神田大介)
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朝日新聞国際報道部
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