加園さんのイチオシは、プチ・シューとカリフォルニアのシャルドネ
●「シュー ア ラ クレーム」(ビゴの店)×「アヴァント・シャルドネ」(ケンダル・ジャクソン)
本格派のフランスパンが人気の「ビゴの店」の定番スイーツ、「シュー ア ラ クレーム」は、小さめながらしっかりしたシュー皮、コクがあって濃厚なカスタードクリームのコンビが満足感たっぷりのおいしさ。この“王道”スイーツには、コクがあって、ぶどうの完熟感が漂うリッチな味わいのカリフォルニアの「アヴァント・シャルドネ」がぴったり。スイーツの持つ、香ばしさとバターの風味が、「アヴァント・シャルドネ」の樽のニュアンスとよく合う。
「コクのあるもの同士の組み合わせは、飲み疲れしそうなイメージがありますが、このワインはクリーンな酸味があるので後味にフレッシュ感が残ってさわやかな印象。冷やしすぎると酸味が立ちすぎてしまうので、常温に近いくらいの温度で楽しむのがお勧めです」(佐野さん)
「僕は、これがイチオシです! クリームの濃厚な味わいがワインですっきりと切れて完全にリセットするから、いくらでも食べたくなりますね」(加園さん)
お二人のコメントに期待が膨らみ、実際に試してみた。まったりと口の中に広がるカスタードクリームの濃厚さは、ワインを飲むことでスッと消えてワインのさわやかさが余韻として残る……。これは、初めての体験! クラシックなフランス菓子が好きな人は、ぜひ試してもらいたい組み合わせだ。
佐野さんイチオシ!最中と、ボルドー赤ワインの新しい出合い
●「招き福猫最中」(福福)×「ムートン・カデ・ルージュ・クラシック」(バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド)
「招き福猫最中」は、可愛らしい招き猫をかたどったパリパリの皮に自分でつぶしあんを詰めて最中をつくる楽しさが人気のポイント。和菓子の王道・あんこには、赤ワインとのマリアージュが意外で新鮮だ。ボルドーの赤ワイン「ムートン・カデ・ルージュ・クラシック」は、舌を包み込むようなやわらかいニュアンスが、じんわりと広がるあんこの甘さと驚くほどよく合う。
「和菓子と赤ワインは、本来合わせにくいものですが、これはお互いをナチュラルに引き立て合う新しいマリアージュ。私のイチオシはこのマリアージュです」(佐野さん)
「ワインだけでもおいしいし、最中を食べた後に飲むとワインの味わいがすごくまろやかになって後味がすっきり。不思議とクセになります」(加園さん)
和菓子とワインの新たなマリアージュには、スタッフ一同興味津々。いざ、口にしてみたところ、あんことワインが自然と溶け合うような一体感にびっくり! 一同、大絶賛の組み合わせだった。
濃厚チョコレートケーキは、2種類のマリアージュで楽しむ!
●「ロイヤルハート」(R-Heart)×「ムートン・カデ・ルージュ・クラシック」(バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド)、「ベルスター・キュヴェ・ロゼ」(ビソル)
ハートのお菓子の専門店「R-Heart」の一番人気、「ロイヤルハート」は、半生タイプで口溶けがよく、濃厚な味わいのチョコレートケーキ。3種類のチョコレートをブレンドしており、しっとりした食感とカカオの香りが魅力だ。
クラシックなチョコレートスイーツに合わせて佐野さんが選んだのは、定番の赤ワインと、ロゼのスパークリングワインの2種類。ボルドーの赤ワイン「ムートン・カデ・ルージュ・クラシック」は、メルローが主体のシルキーでやさしいうま味がある。
「コクのあるスイーツに、重い赤ワインを合わせると飲み疲れしてしまうので、やさしくカカオの香りに共通点のある『ムートン・カデ・ルージュ・クラシック』はお薦めです」(佐野さん)
一方、「ベルスター・キュヴェ・ロゼ」は、ベリー系の華やかさが広がるスパークリングワイン。濃厚なチョコレートケーキと合わせると、まるでベリー系のソースがかかったようなニュアンスが生まれ、チョコレートケーキの味わいにふくらみが出る。
「チョコレートとシャンパーニュ風の組み合わせを、気軽に楽しめるのがいいですね」(加園さん)
「赤ワインとスパークリングワイン、両方試してお好みを探すのも楽しいですよ」(佐野さん)
「招き福猫最中」との組み合わせで大絶賛だった「ムートン・カデ・ルージュ・クラシック」を、今度はチョコレートケーキとマリアージュ。「これは別の赤ワイン?」と感じてしまうほど、スイーツの種類によってワインの印象もガラリと変わるのが不思議だ。チョコレート&赤ワインはある意味、王道だが、この組み合わせだとずっしりとした重さがなく、いくらでも飲んで食べられそう。
これはぜひ、ロゼのスパークリングとも合わせてみたい! タイプの違うワインでチョコレートケーキの楽しみ方が広がりそうだ。
甘口ワインとリッチなポップコーンは、“どうにも止まらない”組み合わせ!
●「リッチ」(パロミータス)×「フロラリス・モスカテル・オロ」(トーレス)
話題のグルメポップコーンブランド「パロミータス」の「リッチ」は、バターの香りと三温糖のやさしい甘さが魅力。リッチながら、軽やかな口当たりのスイーツによく合うのは、スペインの甘口ワイン「フロラリス・モスカテル・オロ」。アプリコットのような濃厚な香りとほのかな酸味が、ポップコーンのバターの香り、甘さを引き立ててくれる。
ボトル全体に花をあしらったようなエレガントなボトルは、女子会、ホームパーティーのお土産にもお薦めだ。
「ポップコーンを、フランス料理に出てくるミニャルディーズ(食後の焼き菓子)のようにイメージして、ワインを選んでみました。ワインを飲んだ後に、ポップコーンの甘さがふわっと立って贅沢な気分になれます」(佐野さん)
ポップコーンの甘みとワインの甘み、甘みが重なってすごく濃厚な味わいになるのかと思いきや、両方が引き立てあって「止まらなくなる」意外なマリアージュに。ポップコーンを食べてからワインを飲むと、ワインのほのかな酸味も引き出されて口の中にベタッとした甘さが残らず、ポップコーンの風味がふわっと漂う……。それが心地よく、繰り返し試したくなるという仕組み。
スタッフの中でも、このマリアージュにハマる人が続出。複数のスタッフでマリアージュを楽しみ、ボトルはあっという間に空になってしまった。
“イチゴイヤー”の締めくくりに楽しみたい、Wイチゴのマリアージュ
●「ストロベリー」(農ブランド)×「ミガキイチゴ・ムスー」(農業生産法人 株式会社GRA)
こだわり素材を使ったロールケーキ専門店「農ブランド」の人気商品、和三盆糖を使ったふっくらとまろやかなイチゴロール「ストロベリー」と、イチゴのスパークリングワインのマリアージュ。宮城県産の高級イチゴ、ミガキイチゴを使った「ミガキイチゴ・ムスー」は、イチゴのフレッシュな香りが魅力。
「イチゴのロールケーキと合わせることで、よりイチゴの風味が広がり贅沢な味わいが生まれます」(佐野さん)
クリームの濃厚な味わいを、スパークリングワインで一度流すことで、口の中がリセットされて「もうひと口」食べたくなる効果も。
「今年は2015年で“イチゴイヤー”。ぜひ、ダブルのイチゴで楽しんでください」(加園さん)
スイーツとワインはまだまだなじみが薄いが、実際に試してみると、思いもよらない組み合わせや新しい発見がたくさんある。
「リッチな気分が味わえて、新しい発見もできると思うので、ご自分へのご褒美、心のリフレッシュに生かしてもらえたらうれしいですね」(加園さん)
「ワインのワンランク上の楽しみ方として、スイーツ&ワインはお勧めです。ショップにも気軽に立ち寄って、お声をおかけください」(佐野さん)
取材後には、「家でもじっくり楽しみたい!」と、気に入った組み合わせを購入するスタッフが続出。家飲みワインの新しい楽しみ方として、気軽に挑戦してみてほしい。
■取材協力:
ワインショップ・エノテカ プランタン銀座店
プランタン銀座
この記事で紹介したスイーツ、ワインは、すべてプランタン銀座 本館地下2階で販売されています(2015年10月15日時点)。また、記載した商品の値段は、すべて税込み価格です。
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