中日スポーツ、東京中日スポーツのニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 中日スポーツ > ゴルフ > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【ゴルフ】

片山晋呉、生涯獲得賞金20億円王手

2015年11月15日 紙面から

第3日、ホールアウトする片山晋呉。通算14アンダーで首位=太平洋クラブ御殿場で

写真

◇三井住友VISA太平洋マスターズ<第3日>

 ▽14日▽静岡県御殿場市、太平洋クラブ御殿場コース(7246ヤード、パー72)▽雨、気温12・7度、北2・1メートル▽賞金総額1億5000万円、優勝3000万円▽65選手▽観衆2916人

 首位タイから出た片山晋呉(42)=イーグルポイントGC=が通算14アンダーに伸ばして単独トップに立ち、ツアー通算29勝目、史上2人目の生涯獲得賞金20億円突破に王手をかけた。降雨の悪条件下で3バーディー、1ボギーの70でまとめ、「最高のゴルフ」と胸を張った。1打差の2位にT・クロンパ(タイ)、マスターズ・トーナメント2度制覇のB・ワトソン(米国)が2打差で続いた。

◆世界4位も賛辞「完璧に見えた」

 雨脚は強く、寒風が肌を突き刺した。体は凍え、打球は雨に阻まれ飛ばない。「これじゃ難しい。僕には相当なハンディ」と片山。ただ、繊細一辺倒にならざるを得ない悪条件下にあって、好機とみれば何食わぬ顔で攻める大胆さが首位を手放さなかった。

 8番パー4。フェアウエーから残り190ヤードの2打目。視線の中央には大木、左には林が構え、ピンは狙えない、と思いきや−。「今年一番の良い球。木がかかってきてしまうけど、それでも球をうまく曲げてコントロールできた」。4番ユーティリティーから放たれた球は、鋭くスライスしながらピンそば3メートルにピタリと寄った。言葉を飲むような、バーディー奪取だった。

 ここぞの場面で披露する集中力、制球力は絶品。決して崩れぬ安定感にはすごみがあり、同組で回ったB・ワトソンが「完璧のように見えた」と賛辞を贈れば、「それくらい良い内容のゴルフ」と片山自身も自賛する内容だった。

 プロ20年間で幾多のコースに挑み、28度も勝ち名乗りを上げてきたが、経験と余力だけで戦うことを最も嫌う男である。42歳にして過酷な筋力トレーニングに励み、体重は4キロ増の72キロとたくましくパワーアップ。この日のラウンド後には強雨の中、誰もいなくなった夕闇の練習グリーンで約30分間もパッティングを繰り返した。そのゴルフには、強烈な自負がある。

 「これ以上できない努力と時間と気持ちを費やしてやっている。その思いを明日の18ホールにぶつけたい」

 昨年11月のカシオワールドオープン以来となる1年ぶりの勝利、そして、尾崎将司に次ぐ2人目の生涯獲得賞金20億円突破へ−。片山の脳裏には、「優勝」の2文字しかない。 

  (松岡祐司)

<片山の最終日最終組> 56度目。単独首位で最終日を迎えた過去24試合のうち、逃げ切ったのは18試合で、優勝確率は75%。

 

この記事を印刷する

PR情報





中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ