reserveリザーブが誕生したのは1969年、翌年に大阪万博が控える中で、創業者の鳥井信治郎を引き継いだ佐治敬三が、訪れる外国人に飲ませても恥ずかしくないウイスキーを作ろう、と号令をかけてできあがったものでした。

そういう意味でも、日本人の舌にあった味を追求したオールドに対して、外国人でも楽しめる味を追求したのがリザーブだといえます。 

1980年代になると、40代以上をターゲットにしたオールドに対して、リザーブは若者向けをターゲットに変えるようになりました。本木雅弘や木村拓哉を起用したのは1990年代のことです。
この頃は、オールドよりも格下という位置づけだったように思えます。

2000年代になると、10年以上の原酒を使った本格的なグレードへと格上げされ、2008年からはスペシャルリザーブという名前で売られています。現在では白州モルトをキーにしたブレンドになっています。

いつものようにロックで味わってみると、白州モルト由来のフレッシュでフルーティな味がやってきます。また、シングルモルト新白州で感じたピート香も、ロックでは表に出てきます。
そういう意味でも、登場時の外国人にも恥ずかしくないブレンドというコンセプトは受け継がれているといえます。

個人的には、新白州で味わったフレッシュな味がスペシャルリザーブにも生かされていて、ある意味サントリーらしくない味で、サントリーの中でも惚れ込みました。
あとはブレンデッドで残るは「響」。おいそれと買えませんが、12年は試したいところです。

価格は2000円前後で、1400円ほどのオールドと比べても格段に上のクラスとなって、当初のラインナップから逆転しています。それでも、香りや味わいからしても、オールドを超えるものとしては異論は少ないかと思います。

<個人的評価>(A~E)
香り:A 白州モルトならではのフレッシュな香り、ピート香が比較的表立ち、後からナッツの香りもやってくる。
味わい:B サントリーの中ではかなり癖が強い。バニラのような甘い味があるが、アルコールの刺激もそれなり。
総評:A サントリーらしくないものの、ウイスキー全般から見れば立派に個性が引き立つ銘柄。ストレート、ロックで十分いける。