という全体的に最低な雑談の後に、これからきわめてほがらかな手芸の話をしたいと思います。いつか純粋な手芸好きが、なんかしらのキーワード検索でこの記事にたどり着いたとき、えっサテンステッチについて知りたかったのに、なんかスクールガールのオナニーの話なんだけど! グーグルのもしかして検索、あまりにももしかして過ぎるんだけど! さすがにそんなはずないんだけど! とたまげてくれたら本望だ。
そんなわけで先日書いたとおり、ステッチの技法をきちんと学習し、それでもってイラストを刺繍してみた。縫ったのはクチバシである。刺繍映えするのはヒットくんよりもクチバシかなあ、と判断した。
線はアウトラインステッチ、色部分はチェーンステッチ、目はフレンチナッツステッチである。なかなかうまい具合に仕上がった。これまで、面を埋めるステッチというものはサテンステッチ一択なのかと思っていたのだけど、本に紹介されていた作品に倣ってチェーンステッチでやってみたら、すごくよかった。サテンステッチも使い所によってはいいのだろうけど、あまり大きい面をそれでやろうとすると、のっぺりしてしまう。その点チェーンステッチだと、ある程度の隙間ができて、軽やかであると同時に、しかもそれが刺繍の刺繍らしい「表情」みたいな効果さえあったりする。そうなのだ、サテンステッチのよろしくない点として、サテンステッチは人間が必死にやるより機械のほうが上手、ということが言えると思う。とにかく糸で面を埋め尽くすものなので、表情とかは関係なく、とにかく正確無比にやればやるほど、きれいな仕上がりになる。人がサテンステッチをするということは、言わば活字書体をトレースして字の練習をするようなもので、そんなものは機械に任せておけばいいのだ。そういう意味でチェーンステッチはいい。し甲斐がある。同じ形のものを繰り返し並べていく感じ、結婚式のウェルカムボードの猫を例に出すまでもなく、性に合っている。ちなみに写真では隠れているが、もう1枚の布と縫い合わせて、綿をつめて、タグにチェーンを通して、なんとなく作品っぽくした。はぎれに刺繍がしてあってもしょうがないので。今回は絵の形に合わせて布を切ったけど、たぶん丸とか楕円とか、穏当な形のほうがまとまりがいいだろうと思う。次回はそうしようと思う。