【侍ジャパン】中田、3戦連続V打!B組1位突破「世界の王」金言でパワーアップ

2015年11月15日6時0分  スポーツ報知
  • 6回1死一、二塁、中田(中央)が左中間に勝ち越しの3ランを放ち、ベンチ前で笑顔を見せる
  • 左中間へ3ランを放つ中田
  • 中田を出迎える小久保監督(左)

 ◆プレミア12 ▽1次ラウンド・B組 米国2―10日本(14日、台湾・桃園)

 またまたまた中田だ! 国際大会「プレミア12」は14日、1次ラウンドが行われ、日本は2勝1敗の米国と対戦。同点に追いついた6回1死一、二塁で日本が誇る大砲が左越えに今大会2号となる勝ち越し3ランを放ち、3試合連続V打をマークした。先発・菅野が4回2失点と試合をつくれなかったが、筒香が3安打3打点、松田も7回に満塁弾と打ち勝ち、4連勝でグループを1位突破し、準々決勝進出を果たした。

 ミスショットした過去を頭から消し去っていたから、フルスイングできた。中田はただボールだけに集中し、思い切りバットのヘッドを返した。「イケイケムードだったので、それは崩したくなかった。入るとは思わなかった。『抜けてくれ』と思っていました」。一塁ベースを回った直後、打球はすさまじい速さで左翼席に消えた。グループ1位突破を決める放物線をかけたヒーローは、「ホー」と雄たけびを上げて喜びを爆発させた。

 前を打つ筒香のタイムリーで同点となった6回1死一、二塁。2ボールから内角低めの直球を積極果敢に振り抜き、勝ち越しの2号3ランをたたき込んだ。三振、左飛で迎えた第3打席での一発は3試合連続のV打。7回2死一、二塁でも四球を選び、松田のグランドスラムを呼び込んだ。これで15打数8安打の打率5割3分3厘、2本塁打、11打点。恐ろしいほどの数字を並べた。

 日の丸を背負った26歳の覚醒。心には「世界のホームラン王」の魂が宿っていた。この日の試合前、尊敬するスラッガーの言葉を知り、自信を深めた。

 王会長「三振しても知らんぷりして帰ってくるぐらいでいい。その代わり、甘い球が来た時は逃してはいけない」

 先日、ソフトバンクの王球団会長がテレビ番組で自身にあてたアドバイスを関係者から伝え聞いた。国際大会に臨む己のポリシーと重なった。

 中田「短期決戦ですし、1打席1打席の結果で一喜一憂してはいけないと思っています。自分はアベレージヒッターではないですし、ツーベースでチャンスをつくったり、ランナーのいるときはしっかりとかえすことを意識しています」

 日本の代表として、凡打しても悔しさを表情に出さず、堂々とベンチへ引き揚げる。気持ちを瞬時に切り替え、次の打席に全力を注ぐ。神懸かった打撃は、リセットできるタフなメンタルに支えられていた。

 中田の猛打に引っ張られ、チームは4連勝で準々決勝進出を決めた。ファーストの守備でも、初回1死一、三塁からブラックの遊ゴロの送球を受けた二塁の山田のスローイングがライト側にそれたが、体を伸ばして捕球しゲッツーを完成。「周りのみんなのおかげで楽しみながら打席に立てています。日本らしい、つないでつないでという野球を崩さずにいきたいです」。手のつけられない和製大砲を旗手に、日本が世界一へと駆け上がる。(中村 大悟)

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