【ラグビー】五郎丸ポーズ見た～い、会場最多８６７６人！ＴＬ開幕、史上２人目１０００得点

　◆ラグビー・トップリーグ第１節第２日　ヤマハ発動機１８―１１トヨタ自動車（１４日・パロマ瑞穂ラグビー場）

　ラグビーのＷ杯イングランド大会で日本代表のエースとして活躍したヤマハ発動機のＦＢ五郎丸歩（２９）が今季国内初戦に臨み、トヨタ自動車に１８―１１で快勝。トップリーグ（ＴＬ）初制覇へ好発進した。この試合で１Ｇ２ＰＧの計８得点を挙げ、前サントリーのニコラス・ライアン（現三菱重工相模原）に次ぐＴＬ史上２人目の通算１０００得点を達成した。試合会場のパロマ瑞穂ラグビー場は、ラグビーではスタジアム史上最多となる８６７６人の観客でほぼ満員となった。

　「ルーティン」と「五郎丸ポーズ」を行う国民的アスリートを、無数のカメラのシャッター音とフラッシュが取り囲んだ。スタジアム脇の歩道橋やマンションからも、五郎丸に熱い視線が注がれた。

　ファン待望の今季国内初キックは、先制トライ後の前半４分。右タッチライン際、２２メートルライン後方からの高難度のキックは、わずかに右にそれた。「プレッシャーはなかったが、外すときは外す。ジョージアでは（昨年１１月に）目にレーザーも当てられた。フラッシュなんてかわいいもんです」。不動の心で、４本中３本のキックを成功させた。

　前半８分には、メモリアルゴールも生まれた。ＳＨ矢富がゴール中央にトライ。今度は百発百中で決められる真正面からのキックだったため、「ルーティン」も「五郎丸ポーズ」も行わずにあっさりと成功。史上２人目の１０００得点を達成し「チームが僕にチャンスをくれた。個人というよりチームのタイトルだと思う」と喜んだ。

　先月１３日にＷ杯から帰国すると、“時の人”となった。１０日間で１０本以上のテレビに出演。同２７日の練習再開後も、静岡と東京を行き来する生活を送りながら、ＴＬ初戦で８０分フル出場を果たした。メディア出演との両立にも「僕はプレーヤーなので、グラウンドでパフォーマンスを出せるようバランスを考えてやりたい」と自覚している。

　こうした姿に、早大時代からの恩師・清宮克幸監督（４８）は「Ｗ杯でとてつもない経験をしてきて、発言も、行動も、態度も、世界の舞台で活躍するにふさわしい男になったと思う」。Ｗ杯でドリームチーム（ベスト１５）にも選出されたまな弟子の成長を手放しで褒めた。

　Ｗ杯後の目標について、五郎丸は「目の前の試合で自分のパフォーマンスを出し続けること」とクールに答えた。次戦（２１日）は豊田自動織機戦（ヤマハ）。「ヤマハは満員になったことがないので、空席がないぐらいファンで埋まった青一色の中で試合したい」。１人でも多くのファンにＷ杯で成長した姿を見せ、ＴＬ終了後は世界最高峰リーグ・スーパーラグビーに挑戦する。（勝田　成紀）