七回、会心の当たりに松田も雄たけび。米国を粉砕した(撮影・松永渉平)【拡大】
快勝した舞台は桃園国際野球場。同球場で行われた12日のドミニカ共和国戦の観衆は3500人だったが、この日は週末で内野スタンドは大入り。ちょんまげのカツラを被った日本人応援団が現れるなど、場内の雰囲気はホームだった。
中田が停滞ムードを払拭すると、松田(ソフトバンク)がトドメを刺した。七回。左翼フェンスを越える1号グランドスラム。10点目をたたき出した。「それまで3打席凡退していて、小久保監督から『頭を整理して打席に入れ』といわれた。シンプルに甘い球を打てた」と声が弾んだ。
32歳の強打者はソフトバンクの日本一を手土産に、米大リーグ移籍を目指して海外フリーエージェント権を行使。バックネット裏でマリナーズやナショナルズなどのスカウトが視察する中、格好のアピール弾にもなった。
15日のベネズエラ戦を挟み、16日の準々決勝に臨む。「打線がつながって、いい勝ち方でした。1位通過? 必ず勝って日本に帰りたい」と小久保監督。試合を重ねるたびに、侍たちが頼もしくなっていく。(上野亮治、吉村大佑)