日韓両政府、「慰安婦」問題の早期妥結に交渉加速へ
- 2015年11月2日
日韓両首脳は2日、ソウルで首脳会談を開き、第2次世界大戦中に日本軍の「慰安婦」として働かされた韓国人女性に関する問題の早期妥結を目指して交渉を加速させることで一致した。安倍晋三首相と朴槿恵(パククネ)大統領の公式な首脳会談は初めてで、日韓首脳会談も3年半ぶり。
いわゆる「慰安婦」の問題は近年の日韓関係を妨げてきた。
第2次世界大戦中に日本によって性的な隷属状態に置かれ働かされたとされる女性は推定最大20万人。多くが韓国・朝鮮人で、ほかにも中国やフィリピン、インドネシア、台湾の女性が「慰安婦」にされた。
日本はこれまで女性たちに「数多の苦痛」や「辛酸」を負わせたことを謝罪してきたが、韓国政府はよりはっきりした謝罪と犠牲者への補償を求めている。
朴大統領は「慰安婦」の問題は、韓国と日本の関係改善にとって「最大の障害だ」と位置付けている。大統領側近によると「韓国国民が受け入れられる形で、問題を早急に解決する必要がある」と述べたという。
会談に先立ち大統領は、首脳会談が「過去の傷をいやす」ことを期待すると話していた。
安倍首相は記者団に、「未来志向の協力関係を構築していく上で、将来世代に障害を残すことがあってはならない」と述べた。
今後の詳細な交渉予定については両首脳とも明らかにしなかった。
強制売春は韓国で激しい議論の対象となる問題で、年々少なくなる存命の元「慰安婦」は何年にもわたり補償と、従来より強い謝罪を求めてきた。