安倍首相は『文藝春秋』のインタビューで、こうも語っている。
〈 「一億人」は日本の豊かさの象徴的な数字です。50年後もこの一億人が維持できれば、その時点の人口構成比も65歳未満が三分の二となり、年齢階層別の不均衡も解消される計算になります。 〉
〈 「一億総活躍」社会の実現に向けて、私は「新・三本の矢」を掲げました。第一の矢は、これまでの「三本の矢」の経済政策を一層強化した「希望を生み出す強い経済」です。そしてその矢が狙う的が、戦後最大となる「GDP600兆円」を、2020年頃までに達成することです。 〉
〈 ここまで申し上げてきた施策は、全て「一億総活躍」というキーワードがその背景にあります。その実現の為に、今般の内閣改造では、一億総活躍大臣を新設しました。 〉
「一億総活躍」を言い募るが、現在の人口1億2689万人中の残る「2689万人」の過半に相当する若年貧困に喘ぐ人たちこそが低賃金サービス業従事者であることに、文春インタビューでは触れていない。
ともあれ、GDP600兆円達成による「強い経済」実現には「第3次ベビーブーム」をもたらす画期的な少子化対策が不可欠だ。改めて加藤勝信一億総活躍大臣の手腕が問われているのだ。
歳川 隆雄
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