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【政界徒然草】
SEALDs(シールズ)の次なるターゲットは辺野古移設 「東京から来た機動隊は冷たい目をしている」と宣戦布告
ただ、産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)の合同世論調査では「反対」が上回っており、「賛成」が圧倒的な国民の声というわけでもない。地元紙の調査によると、沖縄県内では中止すべきだとの意見が多数だという。
昨年11月の沖縄県知事選では、「銃剣とブルドーザー」など被害者感情をあおるメッセージを掲げ、安倍政権にこぶしを振り上げた翁長氏が大勝した。その後の昨年末の衆院選では、沖縄の4つの小選挙区すべてで自民党公認候補が敗北した。
背景にはシールズや翁長氏の言う通り、沖縄が日本の安全保障のために多くの基地を負担しているのに、国民の関心が薄いことへの不満もある。また、民主党政権時代、当時の鳩山由紀夫首相が全くた見通しのたたないまま、無責任に「最低でも県外」と発言したことで混乱を生じさせ、沖縄と本土、あるいは政府との溝を深めたことも大きい。かつて移設推進派だった翁長氏も「あれで状況が変わった」と周囲に語る。
翁長氏が辺野古沖の埋め立て承認を取り消したのは10月13日。これに対し、石井啓一国土交通相が是正指示を出したが、翁長氏は指示を拒否。そこで、国交相は翁長氏に代わって取り消しを撤回する代執行を行うために提訴する構えで、法廷闘争へと突入する。
自民党内では「ここまで感情のもつれが深刻化したら翁長県政での問題解決は無理だ。裁判の結果がどうであろうと禍根を残す。3年後の沖縄県知事選で勝つことを第一に考えるべきだ」との声も上がっている。
(政治部 田中一世)