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7空港:滑走路、不適切管理 検査院調査

毎日新聞 2015年10月19日 19時40分

 羽田や仙台など7空港で、滑走路に航空機のタイヤのゴムがたまり滑りやすくなっていたにもかかわらず、空港側が適切な対応を取っていなかったことが会計検査院の調べで分かった。検査院は国土交通省などに対し、空港施設を適切に管理するよう改善を求めた。

 検査院は全国22空港の滑走路の点検状況を調査した。その結果、羽田、釧路、函館、仙台、高松、長崎、熊本の7空港で、滑走路の表面や溝にタイヤのゴムが付着し、国の定める摩擦係数の基準値(0.44)以下になっていたことが判明した。係数が基準値以下だった場合、国の指針で、ゴム除去などの処置を検討するとされているが、各空港事務所は約1年〜1年半、ゴムを除去していなかった。

 羽田空港では2012年9月時点で、4本ある滑走路のうち1本について摩擦係数が0.33になっていた部分があったが、東京空港事務所はゴムを除去しなかった。その後、13年8月に実施した再測定で摩擦係数が0.20まで低下していることが分かり、同12月までに除去した。

 国交省は運航に支障があるような場合は対応しているとするが、国内航空会社のパイロットらでつくる「日本乗員組合連絡会議」の舘野洋彰議長は「摩擦係数が低下するとオーバーランの危険性が高くなる。基準値があるのにそれを見逃して許容する姿勢こそが問題」と批判している。

 また、羽田や鹿児島など4空港では、滑走路や誘導路など計18カ所の勾配の値が基準を超過していた。関西国際空港では滑走路や誘導路の路肩部分計92カ所で路面が最大15センチ隆起していたが、いずれも14年度末時点で修繕されていなかった。

 国交省の担当者は「検査院の指摘は真摯(しんし)に受け止めて適切に対応していく」と話した。【武内亮、夫彰子】

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