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【スポーツ】ドーピング問題 ロシアに暫定資格停止 国際陸連、初の処分【ロンドン=共同】国際陸連は13日、ロシアの組織的なドーピング問題で臨時理事会を開き、ロシア陸連に対して暫定的な資格停止処分を科したと発表した。薬物違反による各国・地域連盟の資格停止は初めてで、処分は即有効となる。同国の陸上選手は国際大会への出場を禁じられ、反ドーピング態勢で改善がなければ、来年のリオデジャネイロ五輪にも出場できない可能性が出てきた。 国際陸連のセバスチャン・コー会長は理事会後、取材に応じ「ロシアの選手がリオ五輪に出られるかは今後のロシア陸連の対応による。どこに過ちがあったのか固い決意で見直してほしい」と厳しい表情で語った。 臨時理事会は電話会議の形式で行われ、27人のメンバーのうち24人が参加。ロシアの理事を除く23人で投票した結果、22対1で暫定的な資格停止処分を決めた。ロシアで予定されていた来年の世界ジュニア選手権と競歩のワールドカップ(W杯)の開催資格も剥奪した。選手は国内の大会には出場できる。 ロシア側が違反選手のリストを提出し、新たな検査態勢を講じるまで処分は解除されない。資格回復には反ドーピングの専門家をトップとする調査チームの検査を受け、改善されたことを示す必要がある。一方で国際陸連は、正式な資格停止処分を下すかを判断するために聴聞会を開くことができる。 世界反ドーピング機関(WADA)の第三者委員会は9日に調査報告書を公表。国家ぐるみのドーピングを問題視してロシア陸連に資格停止処分を科すよう国際陸連に勧告していた。 ◇ロシア陸連処分内容一、ロシア選手と関係者の五輪を含む国際大会への出場を認めない。ただし、国内大会への参加は認める。 一、ロシアは2016年に同国で行われる予定だった世界ジュニア選手権と競歩のワールドカップ(W杯)の開催資格を失う。 一、ロシア陸連は係争中のドーピング事案の取り扱いをスポーツ仲裁裁判所(CAS)に委ねる。 一、国際陸連は正式な資格停止処分を科すかを判断するための聴聞会を開くことができる。 一、反ドーピング専門家をトップとする調査チームを設置する。 (共同) ◆リオ五輪締め出しの可能性世界に衝撃を与えたロシアの組織的なドーピングをめぐり、国際陸連は緊急措置でロシア陸連に暫定資格停止処分を科した。世界反ドーピング機関(WADA)の第三者委員会が報告書を公表してから4日後の迅速さで、スポーツ大国の陸上選手がリオデジャネイロ五輪から締め出される可能性にまで踏み込んだ。厳罰の背景には従来とは次元が違う違反の重さがある。 処分の落としどころで、五輪出場だけは譲れないロシアは「国ぐるみの不正」を否定して幕引きを図り、クリーンな選手まで全面的に罰することに反対の声もあった。しかし投票結果は22対1。国際陸連のコー会長が「これは恥ずべき事態で最も厳しい処分」と言う通り、陸上界全体で再建を図る危機感と覚悟を示した形だ。 ドーピングは旧共産圏で国威発揚の手段として横行した歴史もあり、主に選手側が検査の網をすり抜ける手口が基本だった。今回はロシア陸連に、検査所と国内の反ドーピング機関までが共謀し、政府も介入したとされる。 本来は取り締まる側が不正に加担した「組織の破壊」(リーディーWADA委員長)はスポーツの根幹を揺るがすものだ。そこに国際陸連の危機感もあった。 一方でディアク前会長がロシアから証拠隠滅の賄賂を受け取った疑いで捜査され、国際陸連を舞台とした汚職も予断を許さない。五輪の存在意義まで問われかねない難局で踏み切った決断だった。 (共同) PR情報
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