開発/発売元 工画堂スタジオ
工画堂スタジオが本日発売するリアルタイムストラテジー「Rasetsu〜羅刹〜」の体験版。体験版では、オープニングムービーやプロローグシーンなどが割愛されているが、サウンド(モノラル)、音声ともキチンと含まれており、体験版専用のシナリオ2本をたっぷり楽しめる。購入済みのユーザーも試す価値のある内容だ。
製品版ではゲーム開始時に部隊の長となるカシラ(頭)を選べるが、体験版では「ジョイス」のみとなっている。シナリオ2本のうち1本目はチュートリアルステージとなっており、広大なマップ上に配置された敵を撃退しながら、隊員たちの操作方法を学ぶことができる。
ゲームシステムは前述したようにリアルタイム制を採用し、左クリックでユニットの選択、右クリックで攻撃が基本操作となる。これにSmall、Medium、Largeの3つのレンジの弾の撃ち分け、ユニットごとの特殊スキルの仕様といった要素がある。敵との距離に応じてユニットを使い分けたり、HPを回復したり、空を飛んだりといったことができる反面、ショートカットのマスターは必須といった印象で、この点、やや煩わしさがある。
グラフィックは2Dベースで、フィールドやユニットは良く描きこまれている。しかし、攻撃や破壊のエフェクトは素っ気なく、建物破壊後に何も残らず平地然と処理されるなど、細部の詰めに甘さが見られる。RTS好きとして、ゲームスピードを変えられないのも痛い。
ただ、こういった厳しめの評価はあくまで最先端の3DRTSと比較しての場合で、純粋に工画堂タイトルの中でということであれば、話はまた変わってくる。同社がこれまで延々とゲームを通じて描き続けてきた、いわゆるヒーローユニットのみで構成された部隊を軸として濃厚なSF物語を紡ぐという行為は、羅刹の中にも華やかに色づいているし、それをRTS風のゲームシステムに封じ込めたという点も評価できる。工画堂ファンやイラストベースのゲームが好きな人、ライトゲーマーなどにお勧めしておきたい体験版だ。
(c) 2001 KOGADO STUDIOS,Inc
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