米国のB-52爆撃機、中国の人工島近く飛行 南シナ海
- 2015年11月13日
米国防総省は12日、南シナ海で中国が領有権を主張する人工島に近い空域で、B-52戦略爆撃機2機を飛行させたと発表した。中国側の管制官から警告を受けたが、米機は任務を敢行したという。
国防総省のアーバン報道官によると、スプラトリー(南沙)諸島付近での8日夜から9日にかけての飛行は「南シナ海での通常任務」で、グアムの米軍基地から離陸し、同基地に帰還したという。
「いかなる海洋上の物体についても15カイリ以内に接近しなかったにもかかわらず」中国側から2度警告されたが、「2機ともそのまま任務を続行し、国際法を常に完全順守して任務を遂行した」とアーバン報道官は説明した。
南シナ海では10月に米海軍が駆逐艦「ラッセン」を、スプラトリー諸島で中国が領有権を主張するスビ礁とミスチーフ礁の12カイリ以内を航行し、中国側が「違法だ」と反発していた。
米中関係では、バラク・オバマ米大統領と習近平国家主席が共に、マニラで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席する予定。
中国は南シナ海で複数の周辺諸国と領有権を争っている。
国際法では海岸線から12カイリが領海・領空と認められるが、中国は人工島周辺を領海・領空とみなしている。