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【大相撲】

日馬、天敵にやっと勝った 5連敗中の嘉風に4年ぶり白星

2015年11月14日 紙面から

嘉風を小手投げで破り、天敵から4年ぶりの白星を挙げた日馬富士(上)(沢田将人撮影)

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◇九州場所<6日目>

(13日・福岡国際センター)

 横綱日馬富士(31)=伊勢ケ浜=は小結嘉風を小手投げで退けて1敗をキープ。最近5連敗中だった相手から、4年ぶりの勝利となった。横綱白鵬(30)=宮城野=は豊ノ島を問題なく寄り切って全勝を守った。大関琴奨菊と勢、千代鳳が初黒星を喫したため、白鵬が単独首位に立った。横綱鶴竜は逆転の突き落としで隠岐の海を下して4勝目を挙げた。

 日馬富士が4年ぶりの嘉風戦勝利を挙げた。1横綱1大関を撃破して勢いに乗る相手に懐に入られるが、とっさに左で抱えると、小手投げで強引にねじ伏せた。大関だった2011年名古屋場所以来となる、連敗を5で止める白星。12年九州場所の横綱昇進以降では3連敗中だった相手に、横綱としては初勝利だ。

 「難しかったっていうかね。楽しみな相手でね。本場所ではいい勝負をしてますので。中に入られましたけど、冷静に取れてよかったです」

 過去2勝6敗と負け越していた。昨年の秋場所は、4日目にまげをつかんで反則負けを喫しただけでなく、そのときに嘉風の頭が目に激突して「右眼窩(がんか)内壁骨折」し、5日目から休場した。だが、因縁の相手を意識するどころか、この日の朝稽古後には「嘉風の相撲はキレもあるし、動きもある。僕もスピードがある。そういう意味で楽しみ」とワクワクしていた。

 夏場所後に手術した右肘の影響もあって秋場所は全休した。10月の秋巡業後半から土俵内で本格的な稽古を再開。状態が良化していることから出場を決めた。だが、どこかに不安を抱えていたのだろう。九州場所初日の前日には太宰府天満宮でおはらいを受けた。すべては15日間の取組に集中するためだった。

 初日以来の満員御礼となったこの日。九州場所6日目の大入りは96年以来、19年ぶりだ。「お客さんがいると気持ちいいですよ。いい相撲を見せてあげたいなという気持ちが一番でしたから」と充実感に浸った。お客さんが喜ぶ相撲をとる−。日馬富士が信条を体現し続け、13年九州場所以来となる2年ぶりの優勝をつかむ。 

  (永井響太)

 

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