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 自衛隊の佐賀空港(佐賀市)へのオスプレイ配備の受け入れとあわせ、防衛省が佐賀県に要請していた米軍オスプレイの普天間飛行場からの訓練移転。防衛省がこれを取り下げたことで、負担軽減が「棚上げ」された格好の沖縄では反発の声が上がっている。

■沖縄・翁長知事「大変許し難い」

 「差別としか思えない。近所の人が『いつまでも植民地だね』って言ってた。そういう言葉が出てこざるを得ないのが悲しい」。防衛省が佐賀県に要請していた米軍オスプレイの普天間飛行場からの訓練移転を取り下げたことについて、同飛行場に近い宜野湾市上大謝名(うえおおじゃな)区の大城ちえ子自治会長は憤る。

 中谷元(げん)防衛相が佐賀を訪れた10月29日、政府は普天間の移設先とされる沖縄県名護市辺野古で埋め立て本体工事に着手した。米軍基地が集中する沖縄の負担軽減策が取り下げられる一方で辺野古移設が新たな段階に入るという構図に、同県の翁長雄志知事は会見で「他の都道府県では知事が反対しただけですぐに引いてしまう。大変許し難い」と批判した。