2015年11月14日13時10分
日本大使館によると、日本時間14日午後1時現在、パリで起きた爆発事件で「現段階で日本人が巻き込まれたという情報はない」としている。ただ、パリには約1万人の日本人が在住している。大使館はパリ在住の邦人や旅行客らに対し、「最新の情報入手に努めて慎重に対応を」と、メールで注意を呼びかけた。
美術科の生徒39人が研修旅行でパリに滞在中だった兵庫県立明石高校は、安否確認の対応に追われた。同校の森本克茂教頭は「生徒は就寝中で、安全が確認できた。爆発や銃撃があったことには気付かなかったようだった。無事で帰ってきてほしい」と話した。
生徒らは11日から4泊6日の日程で、13日はパリ北部のモンマルトル地区やシャンゼリゼ通りなどを散策した後、中心部のオルセー美術館で鑑賞。市内のホテルに戻って休んでいたところに、事件発生のニュースを聞いた。
生徒が宿泊しているホテルは事件現場から10キロほど離れているといい、同校はブログを通じて保護者などに安全な状況だと伝えた。14日には郊外のバルビゾン村などを訪れる予定だったが、「変更するかはこれから検討する」としている。
宇都宮市の作新学院高校も、情報科学部美術デザイン科の2年生36人と引率教諭らが、修学旅行で13日夕方にパリに着いたばかりだった。同校によると、全員の無事を確認。18日までの日程で、美術館巡りなどをする予定だったが、ホテルに待機しているという。
パリ在住の白波瀬亜紀さん(46)は市内南部で2009年からゲストハウスを経営する。事件当時、日本人ら約10人が宿泊していたが全員無事だという。現場はセーヌ川の対岸だが、深夜でもパトカーのサイレンが断続的に鳴り、携帯電話のニュースサイトを見ながら不安な夜を過ごした。白波瀬さんは「事件に強い怒りを覚える」と話した。
大手旅行会社JTBは「安全が確保できない」として、14、15日に日本を出発するパリ行きのツアーをすべて中止すると決めた。阪急交通社もパリ市内に滞在する約200人のツアー客ほぼ全員の無事を確認したが、14日以降に出発するツアーを実施するかは「検討中」としている。
日本航空はパリへの直行便を予定通り運航。事件後の14日午前11時ごろ、羽田空港からの直行便が出発した。ただ、現地で不測の事態が起きた場合に目的地を周辺国に変更できるよう、通常より多めに燃料を積んだという。
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朝日新聞国際報道部
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