2014年8月25日(月)

激増!「スマホ依存」からわが子を守る法

サイバーリテラシー・プリンシプル(6)スマホを子ども部屋に持ち込ませない

PRESIDENT Online スペシャル

著者
矢野 直明 やの・なおあき
サイバーリテラシー研究所代表

朝日新聞社で1988年にパソコン使いこなしガイド誌『ASAHIパソコン』、95年にインターネット情報誌『DOORS』を創刊、初代編集長をつとめる。2002年にサイバーリテラシー研究所を開設し、「サイバーリテラシー」という考えのもとに、現代IT社会における人間の生き方を模索してきた。この間、慶応義塾大学、明治大学、情報セキュリティ大学院大学、サイバー大学などで教壇に立つ。主著:『マス・メディアの時代はどのように終わるか』(洋泉社)、『インターネット術語集』(岩波新書)、『インターネット術語集II』(同)、『サイバーリテラシー概論』(知泉書館)、『総メディア社会とジャーナリズム』(同、2009年度大川出版賞受賞)、『情報文化論ノート』(同)、『IT社会事件簿』(ディスカヴァー21)。

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サイバーリテラシー研究所(代表 矢野直明)=文
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親子で相談してルールを作る

このままだと1億総スマホ漬けと言える事態になりそうだが、現状に歯止めをかけることはすでに喫緊の課題のように思われる。ここはみんなでささやかながらも「大決断」をすべきときだろう。

中山医師はネット依存にならないための予防策として以下の点を上げていた。

(1)ネット機器を与えるなら、親子で相談してルールを作る
(2)ネット機器は居間などの共有スペースで使う(子ども部屋に持ち込ませない)
(3)スマホのような高性能の機器はなるべく与えない(従来のガラケーの方がまだ安全性が高い)
(4)クラブ活動や趣味などネット以外の活動を多くする

それぞれに有効な対策である。各自の事情にあわせて考えていけばいいだろうが、大事なのは子どもがスマホと四六時中つながった状態を、何らかの制限を設けて強制的に絶つことである。ただし、依存傾向の強まった子どもからスマホを無理やり引きはがせば逆効果になることも少なくない。

そうした状態になる前に、今どうしても守るべきなのは、上記の(2)(および親子間でもっと会話を増やすこと)ではないだろうか。必要なのは親の決断であり、積極的な子どもへの関わりと、それを支援する学校や地域の取り組みである。自分だけでなく、友だちもまた同じような制限を受けているとわかれば、あるいはほっとするかもしれない。というわけで、サイバーリテラシー・プリンシプル(6)は「スマホを子ども部屋に持ち込ませない」である。

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