民主党が分裂の危機を迎えている。岡田克也代表(62)は12日の党本部で開いた会見で、同党の解党を強く求める細野豪志政調会長(44)について「党執行部の一員との自覚があれば、軽々に発言しないはずだ」と不快感を示し、解党しない意向を強調した。
細野氏は11日、前原誠司氏(53)や維新の党の江田憲司前代表(59)らと会談。来年夏の参議院選挙に向けた両党の連携や野党再編をめぐって意見を交わした。その結果、年内中に民主、維新両党を解党した上で新党結成を目指すことで一致。その後、江田氏は岡田氏とも会談し、新党結成を求めたが、岡田氏はかたくなに拒否したという。
岡田氏は「党の執行部は私だ。私が申し上げているのは、本質が変わらなければダメだと、看板の掛け替えではダメだということだ」と暗い表情で話した。一方、前原氏は「岡田代表には『一度、裸になって、理念のもとに集いましょう』ということを話した」と語り、解党的な出直し、維新の党との再編を進めるべきだとの意向を伝えた。
今年1月の同党代表選挙に立候補して9年ぶりに代表の座に返り咲いた岡田氏だが、先月下旬には岡田氏の党運営に不満を爆発させた松本剛明元外相(56)が離党。12日には、来年夏の参院選福岡選挙区で同党が公認を決めた大久保勉参院議員(54)が立候補取りやめを表明した。
「岡田さんはショックでしょうね。出馬を取りやめた大久保さんは民主党福岡県連の代表です。先月下旬、岡田さんは市内で大久保さんと一緒に街頭演説を行い『もう一度、政権を争えるだけの力を』と訴えていたばかりでしたからね。岡田さんが解党を聞き入れないと民主党は分裂する。野党再編に向けた具体的な方向性を示せないままでは、リーダーとしての資質がないことになります」と解党派の同党国会議員は話した。
岡田氏のリーダーとしての手腕が問われている。
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