ビズリーチオフィスのここがすごい!
- オフィスに海と山、漫画喫茶にバーカウンターまで! リラックスから集中までできる多彩なスペース
- 移動式の会議室や、四面スクリーンなど見た目だけではなく細部にまでこだわったオフィス設計
- CTOが東京のインテリアショップを練り歩いて集めたインテリア
2014年9月にリニューアルをしたビズリーチさんのオフィスにお邪魔してきました。ビズリーチさんと言えば、管理職・グローバル人材に特化した会員制転職サイト「ビズリーチ」や、テレビCMが話題の20代向けのレコメンド型転職サイト「careertrek(キャリアトレック)」、友達とクイズで競える学習アプリ「zuknow(ズノウ)」に加えて、肉食就活サイト「ニクリーチ」など、真面目なものからユニークなサービスまで展開されているベンチャー企業。
そんなビズリーチさんのオフィス…。人材系サービスが中心の企業さんなのでカッチリしたオフィスなのかと思いきや、海や丘、漫画喫茶にバーカウンターがありました!
なんでオフィスにこんなスペースが…。
オフィスの設計をご担当されたCTOの竹内真さん曰く「集中できて効率よく働ける。社員同士が気軽に話せて人と働ける。リラックスして働ける。この3つの働き方を1つの会社の中で実現させるために、受付やミーティングスペースはもちろんのこと、通常のオフィススペースの設計までこだわった」のだそうです。
リニューアル後のオフィスについて社員さんに聞いてみたところ「以前は集中したい時やリラックスしたい時は、ビルに入っているスターバックスコーヒーに行っていましたが、今のオフィスはスターバックスなみに居心地が良くて働きやすいです」と話をしてくれました。
「スターバックスなみに居心地が良い」と言われると気になりますよね。ということで、オフィスを早速紹介していきたいと思います。ビズリーチさんのオフィスは渋谷のクロスタワーの12階。エレベーターを降りて受付の方角に歩いて行くと見えてきた景色がこれです。
「あれ? なんかオフィスな雰囲気じゃないし、場所間違えたかな…」と不安に思ってよく見ると、目の前に「BIZREACH」さんのロゴを発見! ここがビズリーチさんのオフィスに間違いないようです。
受付を済ませて早速探検をしました。まず正面の風景がコチラ。時計台の存在感もさることながら、緑があふれていてまったくオフィスな気がしません。
床もご覧の通りです。この写真だけ見ると、「公園なう」と言っても信じてもらえそうな人工芝が広がる床になっています。
受付から右を向いた景色がコチラ。奥が気になるので進んでみると、
南国のリゾートを思わせるようなスペースが!
そして下を見てみると、砂浜! これは沖縄から取り寄せたサンゴの砂だそうで、このオフィスに2トンも敷き詰められているそうです! 2トンって…。
そして海!
この海は、プロジェクターを使って砂浜に3DCGバーチャルリアリティを投影したものなんだそう。実際の海のように波が寄せたり返したりしています! また、波の動きにあわせて波の音も流れているので本当に砂浜にいる気分を味わえます。
砂浜に3DCGを投影しているだけでもすごいのですが、このような感じで波をさわると波に波紋が広がったりもします。ビズリーチさんって転職サービスのイメージが強かったのですが、技術もすごいんだというのを目の当たりにさせられました。ちなみに波の色が薄いピンク色をしているのは、春なので桜を表現したとのこと。
プロジェクションマッピングが施されている砂浜から正面を向いた景色がコチラ。控えめに言ってもオシャレなカフェにいるようにしか思えない…。
そしてコチラが海と砂浜スペースからオフィス全体を見渡した様子です。右手に見えるのはコテージではなく会議室。
会議室の中はこんな感じになっています。
南国を思わせる箱や時計など小物たちに加えて、
鏡や絵画まで用意されていました。インテリアに本当にこだわっているのが伝わってきます。
コチラの写真は会議室の名前。すべての会議室が「JAVA」や「ASTERISK」「LINUX」などプログラミングに関わる名前になっていました。
続いては、丘スペース。奥に3段の階段が見えると思いますが、床が盛り上がっていて、ちょっとした丘になっています。
芝生に座って雑談する社員もいるそうです。
大の字で寝ると公園でひなたぼっこをしているような気分が味わえます!
ほかにも、丘の天井には四面のスクリーンが設置されており、両サイドからスクリーンに表示されたプレゼンや映像を確認できるようになっています。
コチラは、丘スペースにあるバーカウンター。月に1回のピザパーティーやイベントではお酒が振る舞われるそうです。ちなみに、シェーカーを持っているのはビズリーチのビジネス開発部に所属している花井功さん。
立ち姿が様になっているのは、バーテンダーの経験があるからなんだそう。
せっかくなので春にちなんで桜のカクテルを作ってもらいました。おいしそうです!
それにしても、リゾート風の砂浜と海にバーカウンターでおいしいお酒とくれば、社内恋愛や社内デートがはかどるに違いないと思いませんか? たぶんこんな感じで盛り上がってるはずなんです。
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男「ん〜、約束の時間の3時から10分もすぎてるよ。遅いなぁ〜」
女「ごめ〜ん、待った〜?」
男「待ったもなにも遅刻だよっ!」
女「ごめん、ごめん。打ち合わせ延びちゃってさ」
男「打ち合わせ延びちゃったならしょうがないよね。今日、店長(花井功さんのアダ名)がカクテル作ってくれるって言うからカクテル飲もうよ」
女「え!ほんと!? 飲みたいっ☆」
男と女「乾杯〜!」
ひとしきり盛り上がる二人…
男「この後さ、ちょっと二人でやりたいことがあるんだよね…」
女「え! なに?」
男「砂遊び!」
男「砂の山作って、お互いがトンネル掘るやつずっとやりたかったんだよね。
男「あっ、今手が触れた!」
女「あっ、つながった〜!」
キャッキャと盛り上がる二人…
男「いやぁ〜ほんと、デートできたり砂遊びができるオフィスって最高だよね!」
・・・
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みたいな感じで盛り上がってるはず! と、思って広報さんに聞いてみたところ、「残念ながら・・・想像されてるようなことはまったくないですよ」と優しく説明されました。せっかくすてきな空間なのにもったいない…。そして、付き合わせてしまった南雲さん。スミマセンでした!
受付とミーティングスペースは以上になります。
続いては、10Fのワークスペース。扉を開けると目の前に広がってきたのは、階段上に作られた会議スペース。
階段の空間は本棚の役割もしており、オライリーの技術書を中心に宇宙の本などたくさんの書籍が並んでいました。オライリーの技術書に関しては、「突然ですが、オライリージャパンさんの本を全部送ってくれませんか」とメールをして揃えたそうです!
裏側はこんな感じで作業スペースになっています。
コチラはコンセントレーションルーム。文字通り、集中したい時に使う部屋で、私語は厳禁なのだそうです。社員の誰もが自由に使いやすいようにワークスペースの真ん中に設置されています。
ワークスペースの両端には、漫画喫茶のような個室が用意されていました。
社員証を入れて中に入ると、
漫画喫茶のような個室で仕事をすることができます!
せっかくなので、僕も体験させてもらいました。クッションまで完備されているので居心地が良すぎて寝てしまいそうです。
ほかにも、スタンディングデスクもありました。
オフィスルームは以上になります。
最後に、オフィスの設計をご担当されたCTOの竹内真さんにお話をうかがいました。
――リニューアルでオフィスに砂浜や海、漫画喫茶やバーカウンターなどを設置されていますがこの狙いについて教えてください。
竹内さん:オフィスをリニューアルする前は、ビルに入居しているスターバックスに行って仕事する社員がいたんですよ。それはスターバックスでしか味わえないユーザー体験があるからだと思うんですね。会社の外で仕事をするのは、フラペチーノやマキアートがないからではなくて、そこでしか味わえない体験があるからだと思うんです。だったらスターバックスに行ってしまう理由をちゃんと理解して、そういう体験を社内に作ってあげたほうがみんながハッピーになるじゃないですか。であればスターバックスというスペースが持っている「リラックス空間」や「集中できる環境」が社内に必要なんだと思いました。
また、これまでは朝早く来たり夜遅くになってから集中して仕事をする社員がいたことも課題でしたので、そういう社員たちがビジネスタイムに集中できるようにに「漫画喫茶」や「コンセントレーションルーム」を作りました。
この環境に変わってから、あんまり外に出て仕事をする人がいなくなったと思います。
――会社に海を作ろうという発想はどこから得たのですか?
竹内さん:リラックスした環境で、発想を柔軟に働いてほしいという想いが原点にはあるのですが、「海で行こう!」と決めたのは、90%くらいはエゴですね。自分がデートで大好きな人を連れて行って、相手が自分のことを好きになってくれそうな場所ってどこかなって思うと「海か山かな…」ってなったんです(笑)。でも山を作るのは少々難しかったので、公園や緑の空間をイメージして丘を作りました。
そして、それぞれの名前に意味を持たせたんです。会議室はオフィスの端から「ASTERISK」のAから始まって、Bの「BACKSLASH」、Cの「CIRCUMFLEX」というようにプログラミングに関わる名前が続いていきます。そして、スペースの真ん中に位置するエントランスが公園の「GARDEN」で、丘が「HILL」です。南国のエリアはJの「JAVA」から始まってKLMNと会議室が続き、最後は海の「OCEAN」になります。
――すごい! これって狙ってされてるんですか?
竹内さん:はい。そして、AからOの場所までをすべて点としてつなげると、先ほど砂流さんが寝転んでいた丘を中心として、無限大「∞」の記号が浮かび上がるになるんですよ。これは、社員でも知らない人が多いんじゃないですかね。そこまで狙って作っています。
ほかにも、壁面もグラフィックで向こう側の景色が見えるようにするなど、リラックスできる環境作りを念頭において、空間の広がりを考えています。それに加えて、パーティーや勉強会など多くの人を集める時に使いやすいように作ってますね。
竹内さん:もっと細かいところだと、砂にもこだわっています。色んな砂を並べて比較したり、風で飛んでエアコンにつまらないかなどを、実際に風を起こして確認をしながら粒度を決めました。粒度を決めた後、プロジェクションマッピングをした際に、どの砂なら一番海を再現できるかを横浜にある研究所に相談しに行きました。その研究所でも過去に例を見ないプロジェクトだったようです。
――インテリアや小物にもこだわってますよね?
竹内さん:東京にあるインテリアショップと雑貨屋は100店舗くらいは行きました。リニューアル前の5月・6月・7月の土日はすべて雑貨屋巡りに費やしました。そこで家具から絵やポスターなんかも含めてありとあらゆるものを買いました。ポスターなんかは、切りとって、額を付け替えたり貼りあわせたりしています。照明に関しては、木漏れ日の太陽光になるような光をアレンジしたくて、卸業者さんから6種類のLED照明を買って、200灯を使ってライティングをしました。
――竹内さんが、ご自身で考えたコンセプトで発注の作業なども、そこまでこだわられていたんですね。
竹内さん:ビズリーチは人材系のサービスをやっていますが、インターネットカンパニーなので、エンジニアもたくさんいます。高い技術力を持って素晴らしいサービスを生み出すのであれば、外から見える絵は人材系のサービスではなくインターネットカンパニーとかデジタルカンパニーという風に見せたいです。
自由な感じだったり、気軽に対話ができる働き方だったり、オフィスにいても息苦しくないインターネットカンパニーっぽさをこのオフィスで表現したくてリニューアルをしたので、お客様が来社された時に、「この会社は人材会社じゃなくて、インターネット会社なんだ」って思ってもらえるようには、できたと思っています。
ビズリーチさんのオフィス、いかがでしたでしょうか?
砂浜や海などの奇抜な部分に目が行きがちになりますが、話を聞いてみるとCTOの竹内さんがいかに会社内で社員に快適な環境を作るかを考え抜かれた設計になっていました。「スターバックスより居心地が良い」と社員さんが豪語するのもうなずけます。
ビズリーチさん、ありがとうございました!
(砂流恵介)