福生の男性遺体は元女性　顔面の皮膚剥がされる…同居男性は女装で生活

３階の一室で変死体が発見されたマンション Photo By 共同

　東京都福生市のマンション一室で、布団にくるまれた状態で見つかった遺体について、警視庁福生署は１３日、この部屋に住む職業不詳土田芳さん（３８）と確認した。土田さんは顔全体の皮膚や肉を刃物のようなもので剥がされた状態で、同署は事件に巻き込まれたとみて捜査。司法解剖の結果、死因は不詳でさらに調べる。

　土田さんと同居し、養子縁組している男性（２８）が１２日夕に通報したが、２人は今年の夏ごろから、別れ話をめぐりトラブルになっていたことも判明した。

　捜査関係者によると、８月に土田さんが男性の首を絞めたとして暴行容疑で逮捕され、その後、被害届が取り下げられて釈放された。今月３日には、男性が土田さんに暴力を振るい、福生署員が出動する騒ぎがあった。

　２人は交際関係にあり、土田さんは、もともと女性だったが、性同一性障がいで手術を受け、戸籍を男性に変更。一方、男性は、普段は女性として振る舞い、女性ホルモンを投与していた。土田さんのものとみられるフェイスブックには、昨年６月に「入籍しました」と書き込まれている。

　近所の住民は「以前は（男性が）女装して、２人で腕を組んで仲良く歩いているのを見たけど、最近、大声で口論している姿を見た」と話した。

　福生署によると、土田さんの遺体は頭から青いポリ袋をかぶり、顔から血を流していた。部屋に荒らされた形跡はなく、剥がされたとみられる皮膚や刃物は見つかっていない。男性は「自分も土田さんも１２日の朝５時半ごろに別々に帰宅した。その後に寝て、目を覚ましたら隣の部屋で土田さんが倒れていた」と話しており、同署は当時の状況などを詳しく聴いている。