側溝に潜み下着をのぞいた男は、なぜ現行犯逮捕されなかったか?

2015年11月13日11時0分  スポーツ報知
  • 平井容疑者が約5時間潜んでいた神戸市東灘区岡本の道路の側溝

 8月16日に側溝内から女性の下着をのぞき見ようとしたとした神戸市東灘区の会社員・平井泰臣容疑者(28)が11月9日、兵庫県警東灘署に県迷惑防止条例違反の疑いで逮捕された。同署によると、深さ約60センチ、幅約55センチの狭い側溝に午前3時から約5時間潜んでいたとみられる。

 午前7時50分ごろ、通り掛かった美容師の女性(37)が、側溝の鉄ぶたから出ていた髪の毛を不審に思って足元に視線を落としたところ、男と目が合い110番。駆けつけた同署員が、平井容疑者を側溝から引きずり出し、問いつめると「スカート内を見たかった。間違いない」と話し、抵抗する様子はなかったが、その場で現行犯逮捕とはならなかった。

 約3か月後の逮捕となったのはなぜか。捜査関係者によると、現場に署員が駆けつけた時に、被害女性は出勤で、現場を後にしていた。そのため、詳しい当時の状況を聞くことができなかった。一度、容疑者の身柄を同署が引き取ったが、釈放となった。例え本人が犯行を認めても、被害者の話を聞かないと逮捕できないケースは珍しくないという。

 その後も被害女性は、仕事などで忙しく、数時間かかる調書を作成するために署に出向くことができなかった。また、「事件と関わりたくない」といった気持ちもあったという。

 結局、同署の要請で、被害届が提出されたのが9月末。現場の状況を確かめる実況見分、容疑者の行動確認などを行った。側溝に潜んでのぞいていた行為が、県迷惑防止条例違反に当たるかどうか。その裏付けを取るのに、結果的に3か月要したということだ。

 その間、平井容疑者は、警察の監視下のもと、自宅に戻り生活していたという。捜査関係者は「(容疑者は)逃げることは可能だが、自宅に帰れなくなるだけでメリットはない」と話した。

 平井容疑者は13年6月にも同じ容疑で逮捕されている。現場はやはり、東灘区で今回の現場から東に約1・4キロの地点にある側溝だった。その際も、通りかかった24歳の女性と目があって発覚している。当時、「生まれ変わったら道になりたい」と供述していた。

 条例では、常習として違反行為をした者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処すると定められている。

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