埼玉県警は13日、同県草加市の男性(77)宅に振り込め詐欺の電話があり、男性の息子から「父親が被害に遭いそうだ」と110番があったのに警察官が対応せず、200万円をだまし取られたと明らかにした。草加署内の連絡で勘違いがあったためという。
県警によると、男性宅に不審な電話がかかってきているのを知った息子が11日午前11時ごろ110番。これを受け、署の交番勤務の2人が現場に向かうことになった。
このうち20代の巡査が、署にいる50代の警部補に無線で「ミニパトカーで行ってもいいか」と聞くと「大丈夫」と言われた。巡査は「現場に向かわなくて大丈夫」との意味だと誤解し、対応しなかったという。
男性は午後0時20分ごろ、息子の同僚を名乗る男が自宅付近に来ると、現金を手渡した。息子が午後0時50分ごろ、草加署に「どうなったのか」と電話し、署員が現場に行かなかったことが判明。交番の2人と同署生活安全課長が、男性と息子に謝罪した。
草加署の江田正之副署長は「通報の連絡が徹底されていなかったことは誠に遺憾。指導を徹底し、再発防止に努める」とコメントした。