日本のみならず、世界が期待を寄せるMRJ。だが、韓国からは自国に対する嘆き節が聞こえてくるばかりだ。
11日付の中堅経済紙のヘラルド経済は「中国に続き日本も旅客機の国産化に成功、韓国は仲間はずれ」の見出しで記事を掲載。「いま東アジア3国でジェット旅客機を自前で作れない国は韓国だけだ」と断じた。ニュース専門チャンネルのYTNも12日、「中国に続き日本もジェット旅客機市場に挑戦、日本の翼が復活」と題し、「日中両国の市場占有で(韓国は)苦戦が避けられない見通しだ」としている。
ツイッターでも「(MRJは)何度かの遅れを経てようやく成功したとか。わが国の航空機製造はどうなることやら…」などと嘆く声が止まらない。
『徹底比較 日本VS韓国』(河出書房新社)の著者でノンフィクションライターの高月靖氏は、「韓国はスマートフォンの製造を得意としているが、資本力があって経営判断がまともであればある意味、どこの国でも作れてしまう。これまでそうした目先の利益ばかりが優先され、産業の土台となる基礎研究の蓄積が進んでこなかったのが現状だ。韓国では、93年の時点で金泳三(キム・ヨンサム)政権が国産中型旅客機の計画をぶち上げているが、いまだに実現していない」と指摘する。
悲願の国産旅客機が実現しないなか、近年韓国の航空業界が世界の注目を集めた出来事といえば、もっぱら「ナッツ姫騒動」。国民がうなだれるのも、確かに分かる気がする。