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【南シナ海問題】
中国、ナトゥナ諸島への“野心”を否定 インドネシアの国際司法機関への提訴を牽制
【北京=川越一】インドネシアが南シナ海の同国領ナトゥナ諸島をめぐり中国を国際司法機関に提訴する構えを示していることに関し、中国政府は同諸島への“野心”を否定し、提訴の阻止を図っている。
インドネシア側が問題にしているのは、中国が同海での領有権主張のために設定した「九段線」が、同諸島周辺の排他的経済水域(EEZ)と重複する点。中国が同海を支配した後、海底・水産資源が豊富な同諸島に触手を伸ばすことを警戒しているとみられる。
中国外務省の洪磊報道官は12日の定例会見で、中国が主権を主張するスプラトリー(中国名・南沙)諸島について「インドネシアが領土を要求したことはない」とした上で、「ナトゥナ諸島の主権はインドネシアに属しており、中国は異議を示したことはない」と主張した。
洪報道官は領土や海洋権益の争いに関し、「中国は当事国同士が史実の尊重という基礎のもと、国際法に基づき、対話を通じて平和的に解決しようと努力している」と強調した。
しかし中国メディアは、同諸島は宋代から中国が支配し、最後の「王国」も中国人が建てたと主張。清朝の衰亡でオランダの植民地になったと伝えている。