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法務省サイバー攻撃:サーバー偽名契約容疑で中国人を逮捕

毎日新聞 2015年11月13日 21時35分

 法務省へのサイバー攻撃に使われたレンタルサーバーを偽名で契約したとして、警視庁公安部は13日、住所・職業不詳、楊智軍容疑者(32)=中国籍=を私電磁的記録不正作出・同供用容疑で逮捕した。楊容疑者は約1000台のレンタルサーバーを偽名で契約し転売していたとみられ、公安部はサーバーが国内の官庁や企業に対するサイバー攻撃で悪用されていたとみて調べている。

 逮捕容疑は2014年3月ごろ、国内の業者からレンタルサーバーを契約する際に、虚偽の氏名や住所などで会員登録したとしている。楊容疑者は「うその氏名などで多くのサーバーを契約したことは間違いない」と容疑を認めているという。

 昨年9月、法務省法務局職員らが事務連絡などに使うネットワークシステムが不正アクセスを受けた。公安部が調べたところ、攻撃には楊容疑者が偽名で契約したサーバーが悪用されていたことが判明。攻撃は、このサーバーを含めた複数のサーバーを経由して仕掛けられており、公安部は発信元を分かりにくくするための「踏み台」として使われていたとみている。楊容疑者は契約後、サーバーを転売していたとみられ、公安部は売却先を調べている。

 公安部によると、楊容疑者は、契約時は大学の留学生として横浜市内に住んでいたが、今年7月に中国へ帰国。今月再び入国していた。【堀智行】

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