<浪江町長選>古里で3候補訴え 人影まばら
15日投票が行われる福島県浪江町長選は、いずれも無所属の新人2人と3選を目指す現職が立候補している。町は東京電力福島第1原発事故で全域が避難区域となったが、候補者はそれぞれ町内に入り、営業を再開した事業者や一時帰宅中の住民に支持を訴えている。
12日、避難先の二本松市から出向いた候補者は、選挙カーで2時間掛けて町内を一周。一時帰宅中の住民を見つけると、「皆さんの意見を聞いて復興を進めます」と政策を訴えた。壁がはがれ落ちたり、動物が入り込んだりした商店街も見て回り「国に手厚い支援を働き掛けたい」と語った。
「食事は不自由ないですか。町政を前に進めますから」。別の候補者は11日、事業を再開した住民を訪ね、支持を呼び掛けた。
この日は東日本大震災の月命日。大津波に襲われた請戸地区の献花台も訪れ、「次の世代に浪江を残します」と手を合わせた。
JR常磐線浪江駅前の商店街で6日、マイクを握った候補者は「除染や帰町時期の判断など課題が山積している。スピード感を持って対応する」と力説した。
選挙カーの前を通り過ぎるのは除染の作業車ばかり。有権者はほとんどいなかった。それでも候補者は「復興させるのは、この町内だということを強調できた」と前を向いた。
2015年11月13日金曜日