【阿佐ヶ谷レンズ研究所】YONGNUOのラジオスレーブ『RF-603II』で多灯ライティングを極める!

@DIME / 2015年11月8日 21時30分

写真

@DIME アットダイム

■連載/ゴン川野の阿佐ヶ谷レンズ研究所

ラジオスレーブで多灯ライティングを極める!YONGNUO『RF-603II』

■Introduction

コスプレ撮影のためにストロボを2灯焚(た)くという必要に迫られ、Nissin『i40』を使ってワイヤレスシンクを実現。OLYMPUS『OM-D E-M10MKII』のオリンパスRCフラッシュシステムを使って、離れた位置からシンクロするだけでなく、光量も調整できるという素晴らしさなのだ。さらに4chあって、グループごとに発光量を変えたりできる。機能的には文句ナシだが、弱点もある。赤外線式なので動作範囲が限られているのだ。ストロボの受光部が完全に隠れるような位置では使えない。また到達距離にも制限がある。あとカメラ側の内蔵ストロボを必ず発光しなければならない。

これを解決すべく生まれたのが無線式のラジオスレーブYONGNUO『RF-603II』である。送信機をカメラに、受信機をストロボに付ければ、シャッターを押すと同時にストロボを発光できる。無線式なのでストロボの設置位置は自由。そして到達距離は100m(理論値)もあるのだ。シンクロ接点があるので古いストロボやモノブロックも発光可能。さらにニコンとキヤノンのデジイチに使えば、ワイヤレスでシャッターも切るのだ。実勢価格はペアで約3600円と強烈なハイコスパなのがうれしい。

■Design

使い方はカンタンでホットシューに差し込んでネジを回しロックしたら電源をONにするだけ。TXモードを選択すればボタンを押してテスト発光もできる。また、いにしえのフラッシュメーターを使いたい人にも便利なのだ。電源は単4電池2本、もちろんエネループなどの充電池も使える。スタンバイ時間は45時間以上。電池室の奥にはトグルスイッチがあり、何と16chに対応している。実はこのラジオスレーブ、第一世代はNikonとCanon用しかなかったのだが、第二世代になって各社のデジカメに対応した。OLYMPUSはNikon用が対応している。無線レリーズ機能は付属のケーブルを使ってNikonのデジイチで使える。OLYMPUS用のケーブルがあれば、このレリーズ機能も使えると思うのだが、残念ながらサードパーティの品が在庫切れで手に入らない。

ラジオスレーブで多灯ライティングを極める!YONGNUO『RF-603II』

電源は単4乾電池2本。『RF-603II』になってホットシューのロック機能を搭載。外側のダイヤルとロックピンが降りてきてガッチリロックできる

ラジオスレーブで多灯ライティングを極める!YONGNUO『RF-603II』

操作はシンプルで、ストロボ側もカメラ側もTRXに合わせるだけ。テスト発光するときは送信機側をTXにするだけでいい

ラジオスレーブで多灯ライティングを極める!YONGNUO『RF-603II』

スタンド付きのNissin『i40』ならセッティングもカンタン。これで見えないところからワイヤレスシンクできるので、傘トレやライトボックスにクリップオンストロボを入れて使う時に重宝する

ラジオスレーブで多灯ライティングを極める!YONGNUO『RF-603II』

コスプレスタジオでは有線でシンクしていた名機ナショビもシンクロコードを使ってワイヤレスシンクに対応。これでライティングの自由度が大幅に向上した

ラジオスレーブで多灯ライティングを極める!YONGNUO『RF-603II』

Nikon用を購入したので『D7000』でリモートシャッターが切れるようになった。自宅で撮影するときはMacにWi-Fiで転送した画像を見ながら、その場でシャッターが切れる

ラジオスレーブで多灯ライティングを極める!YONGNUO『RF-603II』

そして、これが今回の秘密兵器、YONGNUO『YN560 III』なのだ! ラジオスレーブ対応なので受信機不要でシンクロできる。つまり、このクリップオンストロボをどんどん買い足せば、多灯シンクロがお手軽に実現するという仕組みだ

■Performance

YONGNUO『RF-603II』+『YN560 III』を使った2灯ライティングの作例は、NEEWER『80×80cmソフトボックス S型マウント付き』の記事で詳しくレポートする予定なので乞うご期待

ラジオスレーブで多灯ライティングを極める!YONGNUO『RF-603II』

【研究結果】

このラジオスレーブは使える! ワイヤレスシンクしてみたい人には自信を持ってオススメできる製品である。多灯で使う場合は受信機を内蔵したクリップオンストロボYONGNUO『YN560 III』と組み合わせると便利だ。実際に使ってみると赤外線式より、スレーブ発光より断然便利。赤外線式は明るい所と屋外に弱いと言われているが、ラジオスレーブなら問題ナシ。今のところ弱点は見当たらないが、先日の撮影ではライトボックスの光量を頻繁に変更する必要があり、そんな時は上級モデルの『YN560-TX』が欲しくなる。6グループ、16ch対応でラジオスレーブの液晶画面からワイヤレスシンクしているストロボ6台までの光量と照射角度を操作できるのだ。こちらのモデルは同社のストロボでしか使えないので、組み合わせて使うことが前提だが超便利そう。価格も4350円とハイコスパなので買ってしまうかもしれない。

●『RF-603II』でどんなストロボもワイヤレスシンク対応
●『RF-603II』は小型軽量、ハイコスパ
●『RF-603II』+『YN560 III』なら受信機不要
●『RF-603II』はリモートシャッターにも使える

(文/ゴン川野)

カメラ生活42年、小学生でオリンパスPEN-Fを愛用、中学生で押し入れ暗室にこもり、高校では写真部部長。大学卒業後、単身カナダに渡りアウトドアスクール卒業後「BE-PAL」を経て本誌ライターに。保有交換レンズ41本、カメラ28台(見える範囲で)。阿佐ヶ谷レンズ研究所もよろしく。

@DIME

トピックスRSS

ランキング