つもりちがい

いくら素人は下手でいい、とはいえ、
楽しんで演奏ができる、というのは実はすごく大変なことで、
お気楽にペロペロと楽器が弾ける、サラサラと歌が歌えるレベルというのは、
実はとっても高いと思います。


それなりにうちでお稽古して行ったのに、なんで先生の前だと、こうなっちゃうんだろう・・、
と愕然として帰ります。とほほ。

以前の先生はよく言っていました。
「うちでは上手く弾けるんです、ここに来ると弾けなくなっちゃう、
 おかしい、おかしい、ってみんな言うのよ。みーんなそう言うの。
 おかしくないって、おかしいのはあなただって。」

なんだか、自分だけで弾いていると、どんどん勝手に自分の都合のいいように、
自分が弾きやすいように弾いてしまうのですね。
楽譜があっても、勝手な解釈をしてしまうのですね。
作曲してるかも・・。(汗)

家では自分の勝手な間で弾いていたものが、先生宅で先生の正しい間になると、
ガタガタになってしまう。

恐い恐い。

実際の演奏は一人ではなく三味線も何丁か、唄も何枚(何人)か、
そこにお囃子が加わり、踊りまで入っちゃうかもしれない。
そんな時、一人でも「つもりちがい」の人がいたら、
歌い手は息吸う所で息吸えず、踊り手は右左というところで、右右となってコケルかもしれない。

全員の心づもりがピタッとあったら気持ちがいいし、
演奏家はそれで「いい演奏でしたね」となる。


だから(一人で演奏するものでない限り)
素人の心得違いの「つもりちがい」からは決していい演奏は生まれない、
そういうことです。

2015-11-12 : 覚え書き :
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プロフィール

Author:宝香
宝香(たからこう)とは
つわぶきのことをいう。