モスクワ=駒木明義 ロンドン=河野正樹
2015年11月12日09時43分
「裏検査所」や証拠隠蔽(いんぺい)のための賄賂のやりとり――。ロシアが国ぐるみで陸上界のドーピングに手を染めていたと指摘した世界反ドーピング機関(WADA)独立委員会の報告書は、衝撃的な内容だった。来夏のリオデジャネイロ五輪からの締め出しを危ぶむロシア政府は疑惑に反論しつつ、対応を迫られている。
国家ぐるみのドーピング疑惑が浮かび、来年のリオデジャネイロ五輪への陸上選手の出場が危ぶまれる事態に陥ったロシア。
「ロシアの選手がリオ五輪から排除される可能性はある。ライバルを排除したい人もいれば、ロシアのイメージを損ないたい人もいるからだ」。ロイター通信によると、同国のムトコ・スポーツ相は11日、疑惑浮上の背景にロシアを妨害しようという意図があるとの考えを示した。
一方でムトコ氏は10日、WADA公認の検査機関である「モスクワ反ドーピングセンター」のロドチェンコフ所長の辞任を認める決定をした。ロドチェンコフ氏はWADAの独立委員会の調査の直前に1417のサンプルを意図的に廃棄して、調査を妨害したと指摘され、WADAは同日、このセンターの公認を停止し、WADAに関連する一切の活動を禁止していた。
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